◎物理 ◎化学 ◎生物 ◎実務 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【物理・化学・生物/実務】薬学実践問題 問206-215



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第103回 問206-215

問206-207

35 歳女性。かぜの症状緩和のため、一般用医薬品を購入する目的で薬局を訪れた。患者情報及び相談内容は以下のとおりであった。

症状: 筋肉・関節の痛み、肩こり、鼻水、くしゃみ、のどの痛み、せきの順に症状がつらい。
治療中の疾患:現在なし。
相談事項:明日、社内健康診断で血液検査と尿検査をする。以前、総合感冒薬を飲んだときに尿の色が鮮やかな黄色になったことがある。明日の尿検査の際、採尿カップ内の尿に色が着くと恥ずかしいので、尿に目立った色が着かないかぜ薬を希望する。

 

問206

この患者に合わせた一般用医薬品を選択するにあたり、必要な成分の組合せとして以下の4成分を考えた。 成分A及び 成分Bとして適切なのはどれか。2つ選べ。

アセトアミノフェン
dl - メチルエフェドリン塩酸塩
成分A
成分B

  1. アスコルビン酸
  2. チザニジン塩酸塩
  3. クロルフェニラミンマレイン酸塩
  4. フルスルチアミン塩酸塩
  5. リボフラビン

 

 

 

 

 

解 3,4

 

問207

この患者は以前に総合感冒薬で尿の着色を経験している。その原因と考えられる化合物はどれか。1つ選べ。なお、一般に、長い共役系を有する化合物は可視領域の光を吸収する。

 

 

 

 

 

 

解  5

 

問208-209

78歳女性。高血圧症とパーキンソン病で処方1を服用していた。

パーキンソン病症状のコントロールが困難になったため、新たに処方2が追加された。

(処方1)

ニルバジピン錠2mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 14日分

レボドパ250mg・カルビドパ配合錠 1回1錠(1日3錠) 1日3回 朝昼夕食後 14日分

(処方2)

セレギリン塩酸塩錠2.5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 14日分

 

問208

本症例において処方2が追加された原因として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. ウェアリング・オフ
  2. ジスキネジア
  3. 悪性症候群
  4. 動悸
  5. 異常興奮

 

 

 

 

 

 

解   1

 

問209

以下に示すA~Cはセレギリン、レボドパ又はカルビドパのいずれかである。これらの医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. AとCは、同じ標的分子の別の部位に結合することにより、代謝反応によるドパミンの分解を阻害する。
  2. Bは、生体内でドパミンに変化することによって活性を発現するプロドラッグである。
  3. Bは、脳内で芳香族 L - アミノ酸脱炭酸酵素による代謝を受ける。
  4. Cは、一置換ヒドラゾン構造をもつ。
  5. Cは、Bと同様に血液脳関門を通過しやすい。

 

 

 

 

 

 

解 1,3

 

問210-211

6歳男児。体重20kg。身長120cm。扁桃炎と診断され、この男児の処方箋を、母親が薬局に持参した(処方1)。

(処方1)

セフジニル細粒10% 1回0.5g(1日1.5g) 1日3回 朝昼夕食後 5日分

セフジニル細粒10%の添付文書には、「通常、小児に対してセフジニルとして1日量9~18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する」と記載されている。

お薬手帳を確認したところ、男児は鉄欠乏性貧血で溶性ピロリン酸第二鉄を服用していることが判明した(処方2)。

(処方2)

溶性ピロリン酸第二鉄シロップ5% 1回4mL(1日12mL) 1日3回 朝昼夕食後 14日分

 

問210

セフジニルは鉄イオンに配位し、キレートを形成する。矢印で示したセフジニルの原子のうち、鉄イオンに最も配位しにくいのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

解  4

 

問211

本症例に対し、薬剤師が行う対応の中で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. セフジニル細粒 10%の投与量について医師に疑義照会する。
  2. セフジニル細粒 10%からレボフロキサシン水和物製剤への処方変更を医師に提案する。
  3. セフジニル細粒 10%は鉄剤と一緒に服用するように指導する。
  4. 症状が途中で改善したら服用を終了するように指導する。
  5. 尿や便が赤色調を呈することがあると説明する。

 

 

 

 

 

解  1,5

 

問212-213

85歳女性。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の治療を受けている。

この患者の処方箋を、家族が薬局に持参した。

(処方)

オメプラゾール錠10mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 夕食後 14日分

家族より、最近飲み込む力が弱まり服用の際に苦労しているので、薬が飲みやすくなる方法はないかとの相談を受けた。

 

問212

薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. オメプラゾール錠を正確に半錠に分割して調剤する。
  2. オメプラゾール錠を乳鉢で粉砕して調剤する。
  3. ラベプラゾール Na 錠へ変更し、乳鉢で粉砕して調剤することを医師に提案する。
  4. ランソプラゾールカプセルへ変更し、脱カプセルして調剤することを医師に提案する。
  5. ランソプラゾール口腔内崩壊錠への変更を医師に提案する。

 

 

 

 

 

 

解   4,5

 

問213

オメプラゾールが薬理作用を示す際の生体内における変化(A~D)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aの反応は pH が 7 より大きいと加速される。
  2. Bの過程で不斉中心は消失する。
  3. Cは酸化還元反応である。
  4. Dでは酵素のシステイン残基と反応する。

 

 

 

 

 

 

解  2,4

 

問214-215

54歳女性。再発転移性乳がんに対する化学療法としてドセタキセル・シクロホスファミド療法(4コース)を外来通院で行っている。

2コース目で手指のしびれと痛みを訴えたため、牛車腎気丸エキス顆粒とブシ末の処方が追加された。

(追加処方)

牛車腎気丸エキス顆粒 1回2.5g(1日7.5g)

ブシ末 1回0.5g(1日1.5g)

1日3回 朝昼夕食前 14日分

 

問214

追加処方の副作用として注意が必要な症状はどれか。1つ選べ。

  1. 腰痛
  2. むくみ
  3. 動悸
  4. 冷感
  5. 排尿困難

 

 

 

 

 

解  3

 

問215

前問において副作用の主な原因となる生薬は、日本薬局方に収載されている。この生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. キンポウゲ科植物ハナトリカブト又はオクトリカブトの葉を基原とする。
  2. むくみ
  3. 加工調製(修治)によってブシジエステルアルカロイド含量が増加する。
  4. 加工調製法が異なると総アルカロイド含量の規格値も異なる。
  5. 純度試験としてブシジエステルアルカロイド含量の上限値が設定されている。

 

 

 

 

 

解   3,4

 

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