◎薬理 ◎病態・薬物治療 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【薬理、病態・薬物治療】薬学理論問題 問190-195



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第104回 問190-195

問190-191

19 歳女性。高校生の頃から、気がつくと授業中に眠っていることがしばしばあったが、夜間に受験勉強に励んでいることが原因と思っていた。大学に入学後も、授業中に突然眠ってしまったり、夜間に悪夢を見たりした。眠気により食生活が不規則にもなった。心配になり、友人や家族に相談したところ病院受診を勧められた。診察及び検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方 1 及び 2 で 3 ヶ月治療されたが、症状が改善されないため、処方 1 が処方 3 に変更となった。

 

問190

本症例に関する病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 睡眠時ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査が、診断に有用である。
  2. メチルフェニデート塩酸塩の代わりにアトモキセチン塩酸塩を用いることができる。
  3. 処方 3 の薬剤は、処方 1 の薬剤より依存性が高い。
  4. クロミプラミン塩酸塩は、REM 睡眠関連症状の改善のために使用される。
  5. 日中覚醒できていれば、食生活と睡眠習慣の改善は推奨しない。

 

 

 

 

 

解  1, 3, 4

※いずれか2つ選択で正解となりました。

 

問191

前問の処方 2 及び 3 の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体遮断
  2. ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害
  3. ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害
  4. アデノシン A2A 受容体遮断
  5. ニコチン性アセチルコリン受容体刺激

 

 

 

 

 

解    2, 3

 

問192-193

問192

35 歳男性。身長 172 cm、体重 67 kg。頭痛と四肢の脱力感があり、血圧が180/110 mmHg であったため病院を受診した。血液検査の結果、血清カリウム値は 3.0 mEq/L であった。血中の甲状腺ホルモン値、カテコールアミン値、ACTH値には異常を認めず、腹部 CT 検査にて両側副腎の腫大を認めた。本症例に対する治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. プレドニゾロン
  2. スピロノラクトン
  3. アムロジピン
  4. フロセミド
  5. ニトログリセリン

 

 

 

 

 

解  2, 3

 

問193

前問で選択した 2 つの薬物を長期服用したところ、女性化乳房が出現した。この副作用発現に関わる受容体として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ドパミン D2 受容体
  2. グルココルチコイド受容体
  3. アンドロゲン受容体
  4. アルドステロン受容体
  5. プロゲステロン受容体

 

 

 

 

 

解  3, 5

 

問194-195

問194

10 歳男児。高熱、頭痛、咳嗽、喀痰、筋肉痛、関節痛のため、母親とともに来院した。問診により父親がインフルエンザに罹患していることが分かった。検査の結果、男児もインフルエンザウイルスに感染していた。この男児の診断、治療及び感染蔓延防止に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 迅速検査としてイムノクロマト法によるインフルエンザ抗原の検出がある。
  2. 診断が確定されたら、速やかにインフルエンザワクチンを投与する。
  3. 解熱させるために非ステロイド性抗炎症薬を直ちに使用する。
  4. 人と接するときは、マスク着用を推奨する。
  5. 解熱したら、すぐに学校に登校可能である。

 

 

 

 

 

解    1, 4

 

問195

インフルエンザウイルス感染症及びその症状の緩和のために用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アマンタジンは、B 型インフルエンザウイルスの M2 タンパク質を阻害し脱穀を抑制する。
  2. オセルタミビルは、感染細胞内で形成されたウイルス粒子が細胞から遊離する際に働くノイラミニダーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制する。
  3. チペピジンは、気管支平滑筋のアドレナリン β2 受容体を刺激することで咳を静める。
  4. カルボシステインは、痰中のフコムチンを減少させシアロムチンを増加させることで痰の排出を促進する。
  5. アセトアミノフェンは、ホスホリパーゼ A2 を阻害することでインフルエンザによる発熱を改善する。

 

 

 

 

 

解    2, 4

 

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