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第104回 問178-189
問178
腹痛に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 腹痛は、神経痛と体性痛の 2 つに分類される。
- 腹膜刺激によって起こる痛みは、体性痛である。
- 腹部全体に痛みがある腸重積症は、急性腹症である。
- 右下腹部痛及び発熱があると、胃食道逆流症が疑われる。
- 左側腹部痛、発熱、黄疸があると、胆嚢炎が疑われる。
解 2, 3
問179
意識障害に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ
- 意識障害の原因として、脳の器質的な障害に加え、全身性疾患による二次的な脳の機能障害が考えられる。
- 意識障害の評価法として Glasgow Coma Scale(GCS)が用いられる。
- 意識障害の状態を指標化して表した Japan Coma Scale(JCS)は、覚醒の程度を 4 段階に分けて評価する。
- 認識内容に異常があるが、意識混濁を伴わない状態をせん妄状態という。
- 強い痛覚刺激によってのみ覚醒し、刺激が無くなると直ちに眠ってしまう状態を昏睡状態という。
解 1, 2
問180
45 歳女性。健康診断で肥満、高血圧及び高血糖を指摘され、近医を受診した。高血圧症及び 2 型糖尿病と診断され、アンジオテンシンⅡ受容体遮断薬とジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬の投与が開始された。しかし、 3 ヶ月間服薬しても期待した治療効果が得られなかったため、大学病院に紹介受診となった。診察の結果、丸顔と中心性肥満が認められ、二次性高血圧が疑われた。MRI 検査により下垂体の腫瘍と、腹部 CT 検査により両側副腎の腫大を認めた。本症例の空腹時血液検査データで、高値を示す可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
- コルチゾール
- カテコールアミン
- アルドステロン
- TSH
- ACTH
解 1, 5
問181
22 歳男性。小児期よりインスリンの皮下注射を毎朝施行していた。就職して不規則な生活が続き、ある朝、倒れているのを発見され病院に搬送された。搬送時所見として、意識不鮮明で、呼びかけに応じなかった。血圧 90/60 mmHg、呼吸数20/分、脈拍 110/分、血糖値 720 mg/dL であった。尿カテーテルを挿入し、尿検査を実施したところ、尿糖(+++)、タンパク(+)、ケトン体(+++)を認めた。搬送時に動脈血液ガス分析を施行した時の pH の値に最も近いと考えられるのはどれか。1つ選べ。
- 8.0
- 7.7
- 7.4
- 7.1
- 6.0
解 4
問182
50 歳男性。飲酒後から持続的な上腹部痛及び悪心があった。数日間、様子を見ていたが、発熱と軽度の意識障害が起こったため、病院を受診した。腹部 CT により膵臓の腫大が認められた。この患者の病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 飲酒歴と胆石症の既往の有無を確認する。
- 血液検査でアミラーゼ、リパーゼの活性低下が見られる。
- 膵機能を改善させるため、十分な食事を摂らせる。
- 病態の進展を抑制するため、ガベキサートメシル酸塩静注用を投与する。
- 上腹部痛にペンタゾシン注を用いると、病態を悪化させる。
解 1, 4
問183
前立腺肥大症の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 前立腺の外腺部分が肥大し、排尿障害を起こす。
- 前立腺肥大症は、前立腺がんへ進展する。
- 前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺肥大症の確定診断に有用である。
- タムスロシン塩酸塩を治療に用いる場合は、起立性低血圧に対する注意が必要である。
- ブチルスコポラミン臭化物は、前立腺肥大症による排尿障害の改善に有用である。
解 4
問184
副鼻腔炎の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 急性副鼻腔炎は、上気道炎に続いて起こることが多い。
- 急性副鼻腔炎の起因菌は、黄色ブドウ球菌が最も多い。
- 慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が遷延して 3 週間以上続く状態をいう。
- 慢性副鼻腔炎の症状として、嗅覚障害、頬部痛及び頭痛がある。
- 慢性副鼻腔炎の治療として、ニューキノロン系抗菌薬の少量長期投与が有効である。
解 1, 4
問185
骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 石灰化が不十分な骨組織である類骨が増加する疾患である。
- PINP(Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド)は有用な血清骨吸収マーカーである。
- 運動療法により骨吸収が抑制され、骨量増加が期待される。
- 食事療法として、カルシウム、ビタミン D、ビタミン K の摂取が推奨される。
- デノスマブで治療する際は、高カルシウム血症に注意が必要である。
解 3, 4
問186
55 歳男性。急性骨髄性白血病と診断され、血縁者からの末梢血幹細胞移植を行うこととなった。この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 自家移植よりも致死的合併症は少ない。
- 移植後にシクロホスファミドの大量化学療法と全身放射線照射を行う。
- タクロリムスを移植手術の前から投与する。
- 移植後は免疫抑制剤を速やかに中止する。
- 移植片対宿主病の発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
解 3
問187
メタアナリシスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- データベースで検索された全ての文献を解析に用いる。
- 複数の研究で示された効果量を統計学的に統合する際は、相乗平均を用いる。
- 結果を図示する際に、フォレストプロットを用いる。
- 統計学的に有意な結果を得た研究は掲載されやすいということから生じるバイアスを、出版バイアスという。
- エビデンスレベルは、無作為化比較試験より低い。。
解 3, 4
問188
73 歳男性。数ヶ月前から腹痛を感じていたが、最近になって血便が認められたため来院し、Stage Ⅲの S 状結腸がんと診断された。外来にて、イリノテカン、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシルを用いたがん化学療法を行うため、使用する薬物の代謝酵素の活性に変化をきたす遺伝子変異の有無を調べることになった。その遺伝子として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- CYP2C9
- CYP2D6
- CYP2C19
- NAT2
- UGT1A1
解 5
問189
新生児及び小児の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 新生児に対するクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液の投与は、禁忌である。
- 新生児に対するスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒の投与は、禁忌である。
- フェノバルビタールの消化管吸収率は、小児よりも新生児のほうが高い。
- カルバマゼピンの血中からの消失半減期は、成人よりも小児のほうが長い。
- 小児の細菌性肺炎に対する第一選択薬として、ミノサイクリン塩酸塩顆粒が用いられる。
解 1, 2
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