◎薬剤 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【薬剤】薬学理論問題 問163-177



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第104回 問163-177

問163

薬物の経肺吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ヒトの肺上皮表面積は小腸上皮表面積の約 10 倍に及ぶため、薬物の吸収部位として適している。
  2. 肺胞腔内にペプチダーゼが高発現するため、ペプチドの吸収部位として期待できない。
  3. 肺胞における脂溶性薬物の吸収は、主に単純拡散に従う。
  4. 肺胞腔と毛細血管を隔てる上皮細胞層は、小腸上皮細胞層と比較し、水溶性薬物及び高分子化合物の透過性が高い。
  5. 吸入剤の粒子径により到達部位が異なるため、肺胞内に沈着させるためには粒
    子径を 0.5 µm 以下に抑える必要がある。

 

 

 

 

 

解  3, 4

 

問164

薬物の脳移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、血漿と脳組織間で薬物分布が平衡状態にあるものとする。

  1. 血液脳関門では毛細血管内皮細胞が密着結合で強く連結しているため、薬物が脳移行するためには毛細血管を経細胞的に透過しなければならない。
  2. 薬物の血漿中非結合形分率の増大は、血漿中薬物濃度に対する脳内薬物濃度の比を上昇させる。
  3. 単純拡散のみで血液脳関門を透過する薬物では、血漿中非結合形濃度よりも脳内非結合形濃度の方が高くなる。
  4. 血液脳関門に発現する P-糖タンパク質 MDR1 は、基質となる薬物の血漿中非結合形濃度に対する脳内非結合形濃度の比を上昇させる。
  5. カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーター LAT1 を介して脳移行する。

 

 

 

 

 

解    1, 2

 

問165

ある薬物のアルブミンに対する結合定数を、平衡透析法を用いて測定した。半透膜で隔てた 2 つの透析セルの一方に 0.6 mmol/L のアルブミン溶液を加え、他方には 0.6 mmol/L の薬物溶液を同容積加えた。平衡状態に達したとき、アルブミン溶液中の薬物濃度は 0.4 mmol/L、他方の薬物濃度は 0.2 mmol/L であった。薬物の結合定数 K(L/mmol)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アルブミン1 分子当たりの薬物の結合部位数を 1 とし、薬物及びアルブミンは容器や膜に吸着しないものとする。

  1. 2.5
  2. 3.3
  3. 5.0
  4. 6.6
  5. 10

 

 

 

 

 

解    1

 

問166

以下に示す薬物代謝反応のうち、第Ⅰ相代謝反応はどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

解    4, 5

 

問167

薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アロプリノールはキサンチンオキシダーゼによるメルカプトプリンの代謝を阻害するため、メルカプトプリンの毒性が増強される。
  2. リファンピシンは主に CYP2D6 を誘導するため、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
  3. シスプラチンは有機カチオントランスポーター OCT2 の基質であるため、ジゴキシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。
  4. エリスロマイシンは主に CYP3A4 の代謝活性を阻害するため、カルバマゼピンの血中濃度を上昇させる。
  5. アセトアミノフェンはノルフロキサシンによる γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体結合阻害作用を増強し、痙れんを誘発する。

 

 

 

 

 

解  1, 4

 

問168

体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物の経口投与に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、ka 及び kel は、それぞれ吸収速度定数及び消失速度定数を表し、t は投与後の時間を表す。

 

 

 

 

 

 

解  2, 5

 

問169

ある薬物 60 mg をヒトに静脈内投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が 2.0 mg・hr/L であった。この薬物の肝クリアランスが 2/3 に低下したとき、経口投与後の AUC は、肝クリアランス低下前の経口投与後の AUC に対して何倍になるか。最も近い値を1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は、線形1-コンパートメントモデルに従い、肝代謝のみで消失し、消化管から 100%吸収されるものとする。また、肝血流速度は 80 L/hr とする。

  1. 1.3
  2. 1.5
  3. 1.8
  4. 2.0
  5. 4.0

 

 

 

 

 

 

解   3

 

問170

25 ℃において固相が十分に存在する条件下、pH と弱電解質Aの分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度の関係を図に表した。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、弱電解質Aの分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度比はHenderson-Hasselbalch の式に従い、弱電解質Aの溶解や pH 調整に伴う容積変化は無視できるものとする。必要ならば、log2 = 0.30、log3 = 0.48、101/2 = 3.2を用いて計算せよ。

  1. 弱電解質Aは弱酸性化合物である。
  2. 弱電解質Aの pKa は ₂.₀ である。
  3. 25 ℃において、pH 7.0 のときの弱電解質Aの溶解度は、pH 6.0 のときの溶解度の約 10 倍になると予想される。
  4. 25 ℃において、pH 1.0 のときの弱電解質Aの溶解度は、pH 2.0 のときの溶解度の約 1/10 倍になると予想される。
  5. 25 ℃において、弱電解質A 5 mg を水 1 mL に分散させたとき、pH 5.5 以上になると全量が溶解すると予想される。

 

 

 

 

 

 

解  1, 3

 

問171

コロイド分散系の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 疎水コロイドの安定性は、粒子間のファンデルワールス引力と静電反発力の総和で評価できる。
  2. 疎水コロイドに電解質が共存すると粒子表面の電気二重層は厚くなり、分散状態は不安定となる。
  3. 疎水コロイドの電荷と反対符号のイオンの価数が大きくなるほど、凝析価(mol/L)は大きくなる。
  4. 親 水 コ ロ イ ド に 対 す る 同濃度の ₁ 価 陽 イ オ ン の 塩 析 作 用 の 強 さ は、K+ 2> Na+ > Li+ である。
  5. 親水性の高分子コロイドにアルコールを添加すると、コロイドに富む液相と乏しい液相の 2 つに分離するコアセルベーションが起こる。

 

 

 

 

 

 

解     1, 5

 

問172

球形粒子から成るある粉体を分級して得られた粉体A及びBの個数基準の粒度分布曲線を図に示した。この図から考えられることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 粉体Aは粉体Bより小さな安息角を示す。
  2. 粉体Aは粉体Bより小さな空隙率を示す。
  3. 粉体Aは粉体Bより小さなかさ密度を示す。
  4. 粉体Aは粉体Bより小さな比表面積を示す。
  5. 粒度分布を質量基準で表すと、粉体Aのモード径は 30 µm より大きくなる。

 

 

 

 

 

 

解  3, 5

 

問173

ある固体薬物Aに粉砕や再結晶などの処理を行ったところ、下図の粉末 X 線回折パターンを示す固体a、b、cが得られた。別の方法で再結晶を行ったところ、異なる回折パターンを示す固体dが得られた。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粉末 X 線回折測定に必要な前処理により、薬物Aの化学変化や固体組成の変化は生じないものとする。

  1. 固体a~dの回折パターンを比較することにより、それぞれの結晶の外観の相違を判断できる。
  2. 固体aと固体bの回折パターンを比較することにより、固体aの水分量は固体bより多いことが判断できる。
  3. 固体aと固体dの回折パターンから、両者の結晶の単位格子の大きさが異なっていることが判断できる。
  4. 固体bと固体dは、結晶多形の関係にあると判断できる。
  5. 固体cの回折パターンから、本品の結晶性は著しく低いことが判断できる。

 

 

 

 

 

 

解  4, 5

 

問174

ある薬物の静注用の水性注射剤の製造工程を図に示した。本注射剤及びその製造工程に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. アの操作として、高圧蒸気法を用いなければならない。
  2. イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
  3. 容器Aは、日本薬局方一般試験法のエンドトキシン試験法に適合しなければならない。
  4. 溶剤Bは、日本薬局方一般試験法の発熱性物質試験法に適合しなければならない。
  5. 充てんは、表示量の ±5 %の範囲で行う。

 

 

 

 

 

 

解  2

 

問175

コーティングを施した固形製剤の溶出性を調べたところ、下図の結果が得られた。この薬物溶出を示す製剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物の溶解度は試験液の pH に依存せず、薬物と添加剤の相互作用はないものとする。

 

 

 

 

 

 

解     3

 

問176

容器・包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 日本薬局方製剤包装通則における包装適格性には、製剤の保護、製剤と包装の適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能が含まれる。
  2. 日本薬局方において気密容器の規定がある場合、密閉容器を使用して保存することができる。
  3. 押出しチューブは、軟膏剤等の内容物を押し出せる柔軟性をもつ容器で、材質に金属やプラスチックが用いられる。
  4. 輸液剤の容器で利用されるプラスチックバッグは密封容器である。
  5. プラスチックのシートを加熱成形してくぼみを作り、その中に製剤を入れる包装形態は SP(Strip Packaging)と呼ばれる。

 

 

 

 

 

 

解  1, 3

 

問177

放出制御型製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、イオン交換樹脂に鉄を吸着させて、消化管内のイオンとの交換反応により徐放させる製剤である。
  2. パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、薬物とそれを押し出す駆動力となる電解質を高分子マトリックスに分散させた徐放性製剤である。
  3. チモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤は、熱可逆的ゾル―ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にした製剤である。
  4. オキシブチニン塩酸塩を含む経皮吸収型貼付剤は、マトリックス型構造を有し、貼付後、血中薬物濃度を長時間維持できる製剤である。
  5. ブセレリン酢酸塩を含むエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる生分解性マイクロカプセルは、皮下投与後、長期にわたり薬効を持続できる製剤である。

 

 

 

 

 

解  3, 4

 

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