◎薬理 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【薬理】薬学理論問題 問151-162



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第104回 問151-162

問151

細胞膜受容体を介する情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ニコチン性アセチルコリン NN 受容体が刺激されると、Gi タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、サイクリック AMP(cAMP)濃度が低下する。
  2. ムスカリン性アセチルコリン M2 受容体が刺激されると、Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP 濃度が上昇する。
  3. アドレナリン α1 受容体が刺激されると、Gq タンパク質を介してホスホリパーゼ C が活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
  4. バソプレシン V2 受容体が刺激されると、受容体分子内のイオンチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。
  5. インスリン受容体が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。

 

 

 

 

解  3, 5

 

問152

アドレナリン受容体遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フェントラミンは、血管平滑筋のアドレナリン α1 受容体を遮断することで血圧を低下させる。
  2. ブナゾシンは、毛様体上皮のアドレナリン β2 受容体を遮断することで眼房水の産生を抑制する。
  3. アロチノロールは、気管支平滑筋のアドレナリン α、β 受容体を遮断することで気管支平滑筋を拡張させる。
  4. ビソプロロールは、心臓のアドレナリン β1 受容体を遮断することで心拍数を減少させる。
  5. ナドロールは、心臓のアドレナリン β1 受容体遮断作用及び内因性交感神経刺激作用により心筋収縮力を低下させる。

 

 

 

 

解    1, 4

 

問153

全身麻酔薬及び麻酔補助薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ケタミンは、グルタミン酸 NMDA 受容体を遮断することで麻酔作用を示す。
  2. プロポフォールは、ヒスタミン H1 受容体を遮断することで麻酔作用を示す。
  3. MAC(最小肺胞内濃度)は、吸入麻酔薬の力価の指標となる値であり、大きいほど麻酔作用が強い。
  4. アミラールは、γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで麻酔作用を示す。
  5. ドロペリドールは、アドレナリン α2 受容体を刺激することで鎮静作用を示す。

 

 

 

 

解    1, 4

 

問154

虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を阻害することで心臓の前負荷を軽減する。
  2. ニコランジルは、ATP 感受性 K+ チャネルを開口することで冠動脈を拡張させる。
  3. アテノロールは、血管平滑筋のアドレナリン α2 受容体を遮断することで末梢血管抵抗を減少させる。
  4. ジルチアゼムは、心筋細胞の Ca2+ チャネルを遮断することで心機能を抑制する。
  5. ジピリダモールは、冠動脈のアデノシン A2A 受容体を直接刺激することで冠動脈を拡張させる。

 

 

 

 

解    2, 4

 

問155

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アンジオテンシンⅡ AT1 受容体を遮断する薬物は、副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌量を減少させる。
  2. キニナーゼⅡを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。
  3. レニンを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。
  4. アドレナリン α1 受容体を遮断する薬物は、傍糸球体細胞からのレニンの分泌量を増加させる。
  5. アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬物は、血中のレニン量を減少させる。

 

 

 

 

解  1, 2

 

問156

利尿薬の主な作用機序及び作用部位の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

解  4, 5

 

問157

制吐薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アプレピタントは、嘔吐中枢及び迷走神経終末のタキキニン NK1 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  2. メトクロプラミドは、CTZ(化学受容器引き金帯)のドパミン D2 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  3. ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミン H1 受容体を刺激することで制吐作用を示す。
  4. プロメタジンは、迷走神経終末のドパミン D2 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  5. ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン 5-HT4 受容体を遮断することで胃運動を抑制し、制吐作用を示す。

 

 

 

 

解   1, 2

 

問158

抗 C 型肝炎ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. オムビタスビルは、非構造タンパク質(NS) 5A を阻害する。
  2. パリタプレビルは、NS3/4A プロテアーゼを阻害する。
  3. アスナプレビルは、NS5B ポリメラーゼを阻害する。
  4. テラプレビルは、逆転写酵素を阻害する。
  5. レジパスビルは、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。

 

 

 

 

解  1, 2

 

問159

成長ホルモン(GH)関連薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ブロモクリプチンは、下垂体の GH 産生細胞に作用し、GH の産生・分泌を促進する。
  2. ペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の産生を抑制する。
  3. メカセルミンは、下垂体のソマトスタチン受容体を刺激し、GH や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の産生・分泌を抑制する。
  4. ソマトロピンは、IGF-1 の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。
  5. オクトレオチドは、下垂体のドパミン D2 受容体を刺激し、GH やプロラクチンの産生・分泌を抑制する。

 

 

 

 

解     2, 4

 

問160

脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. コレスチミドは、コレステロールの胆汁への異化排泄を促進することで、血中LDL コレステロール量を低下させる。
  2. シンバスタチンは、肝細胞でアセチル CoA から HMG-CoA への変換酵素を阻害することで、コレステロールの産生を抑制する。
  3. エゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害することで、コレステロールの吸収を選択的に阻害する。
  4. ベザフィブラートは、脂肪細胞の PPARα を阻害することで、血中 LDL コレステロール量を低下させる。
  5. ニコモールは、脂肪細胞のニコチン酸受容体を刺激することで、脂肪細胞からの遊離脂肪酸の放出を抑制する。

 

 

 

 

解  3, 5

 

問161

血液・造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フィルグラスチムは、単球・マクロファージ系前駆細胞に作用し、その分化や増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。
  2. メコバラミンは、造血組織における DNA 合成を抑制することで、巨赤芽球性貧血を改善する。
  3. 葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。
  4. ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。
  5. エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板減少症を改善する。

 

 

 

 

解  4, 5

 

問162

抗真菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アムホテリシン B は、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールと結合することで細胞膜の機能障害を起こす。
  2. テルビナフィンは、1,3-β-グルカン合成を阻害することで細胞壁の合成を抑制する。
  3. フルコナゾールは、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。
  4. フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて5-フルオロウラシルとなり、核酸合成を阻害する。
  5. ミカファンギンは、ラノステロール C-14 脱メチル化酵素を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。

 

 

 

 

解  1, 4

 

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