◎衛生 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【衛生】薬学理論問題 問118-136



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第104回 問118-136

問118

A~Eの構造をもつビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aは、ピルビン酸脱水素酵素や α-ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー産生に関与する。
  2. Bは、ビタミン B12 によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。
  3. Cは、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。
  4. Dは、血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基の γ-グルタミル化に関与する。
  5. Eは、光を感知するロドプシンの成分として視覚機能に関与する。

 

 

 

 

解  2, 3

 

問119

食品添加物A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. Aは、輸液成分としても利用される酸化防止剤である。
  2. Bは、アスパルテームと同様、ペプチド結合をもつ甘味料である。
  3. Cは、かんきつ類の輸入品に使用される保存料である。
  4. Dは、金属封鎖型の酸化防止剤である。
  5. Eは、酸性で効果の高い保存料である。

 

 

 

 

解    2, 5

 

問120

自然毒による食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ジャガイモに含まれるソラニンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示す。
  2. フグ毒テトロドトキシンは、神経や筋肉の Na+ チャネルを開口することにより神経症状を引き起こす。
  3. 青梅の種子中のアミグダリンから発生する青酸は、メトヘモグロビン血症を引き起こす。
  4. テングダケ科のキノコに含まれる α-アマニチンは、RNA ポリメラーゼⅡ阻害により細胞毒性を引き起こす。
  5. サンゴ礁に生息する魚の肝臓で生合成されるシガトキシンは、シガテラを引き起こす。

 

 

 

 

解    1, 4

 

問121

マイコトキシンに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. ステリグマトシスチンは、肝毒性を示す。
  2. シトリニンは、腎毒性を示す。
  3. ニバレノールは、造血機能障害を示す。
  4. パツリンは、食品中の最大基準値が設定されている。
  5. アフラトキシンのうち、アフラトキシン B1 のみ食品中の最大基準値が設定されている。

 

 

 

 

解    5

 

問122

少子・高齢化に関する我が国の人口指標の数値の大小関係について、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 平成 28 年の合計特殊出生率 > 平成 28 年の総再生産率
  2. 平成 28 年の健康寿命 > 平成 28 年の 0 歳平均余命
  3. 平成 28 年の年少人口指数 > 平成 28 年の老年人口指数
  4. 昭和 60 年の平均初婚年齢 > 平成 28 年の平均初婚年齢
  5. 平成 28 年の粗死亡率 > 昭和 60 年の粗死亡率

 

 

 

 

解  1, 5

 

問123

閉経後の健康な女性を無作為に 2 つの集団に分け、一方の集団にはエストロゲン・プロゲステロン併用療法を施し、もう一方の集団には偽薬を投与して長期にわたる追跡調査を行った結果を図に示した。この療法による疾患の発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 乳がんの発症リスクは、有意に増加した。
  2. 脳卒中の発症リスクは、有意に増加した。
  3. 大腸がんの発症リスクは、有意に増加した。
  4. 子宮内膜がんの発症リスクは、有意に減少した。
  5. 股関節骨折の発症リスクは、有意に減少した。

 

 

 

 

解  2, 5

 

問124

予防接種法に定める予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. インフルエンザは、個人の発症又はその重症化の防止に比重を置くため、B 類疾病に分類されている。
  2. 日本脳炎の予防接種には、トキソイド由来のワクチンが用いられる。
  3. ポリオのワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに 4 種混合ワクチンとして接種される。
  4. 水痘に対して、ワクチンの任意接種が行われている。
  5. 原虫感染症に対して、ワクチンの任意接種が行われている。

 

 

 

 

解   1, 3

 

問125

母子感染とその予防に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 水平感染とは、母親から胎児又は新生児に病原体が直接伝播する感染様式である。
  2. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、母子感染することはない。
  3. HBs 抗原陽性の母親から生まれてくる児には、出生後、抗 HBs 人免疫グロブリンと B 型肝炎ワクチンを投与する必要がある。
  4. 梅毒トレポネーマに対して、人工栄養哺育などにより母乳を介した感染を防ぐ対策がなされている。
  5. 妊娠初期に妊婦が風しんに罹患すると、先天性風しん症候群を起こすことがある。

HBs:B 型肝炎(HB)ウイルス粒子の外郭を構成するタンパク質

 

 

 

 

解  3, 5

 

問126

職業病を誘発する化学物質とそれにより生じる健康障害の主な症状及び特殊健康診断に用いられる尿中バイオマーカーの組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

解      3, 4

 

問127

第Ⅱ相代謝反応を担う硫酸転移酵素が必要とする補酵素はどれか。1つ選べ。

 

 

 

解  2

 

問128

シトクロム P450 による薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 補欠分子として FAD が必要である。
  2. 薬物代謝に利用される電子は、NADPH から NADPH-オキシダーゼを介して供給される。
  3. シトクロム P450 に結合した酸素分子は、還元的に活性化され、基質の酸化に利用される。
  4. 還元反応を触媒することがある。
  5. 還元型が酸素分子と結合すると 450 nm に吸収極大を示す。

 

 

 

 

解  3, 4

 

問129

化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 単回投与毒性試験の目的の 1 つは、許容一日摂取量(ADI)を決定することである。
  2. 単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求される。
  3. 反復投与毒性試験の目的の 1 つは、無毒性量(NOAEL)あるいは最小毒性量(LOAEL)を決定することである。
  4. 遺伝毒性試験には、DNA 損傷を検出する試験法と、染色体異常や遺伝子突然変異を検出する試験法がある。
  5. 催奇形性試験は、動物愛護の観点から、げっ歯類のみで行うことが推奨されている。

 

 

 

 

解  3, 4

 

問130

アルコールの中毒と代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. エタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドにより、頭痛や悪心、嘔吐などが引き起こされる。
  2. 欧米人に比べて、日本人ではアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低い人の割合が高い。
  3. アルコール依存症の患者は、ウェルニッケ脳症などのビタミン B1 欠乏症を起こすことがある。
  4. メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることによって低減される。
  5. メタノール中毒患者の治療にエタノールが用いられることがある。

 

 

 

 

解  4

 

問131

電離放射線の被ばくに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 胸部 X 線撮影や胃のバリウム検査による被ばくは、内部被ばくである。
  2. 神経組織の放射線感受性は、造血組織に比べて低い。
  3. 食品中に含まれる 40K は、天然放射性核種である。
  4. 脱毛や白内障は、しきい線量を超える放射線に被ばくした際に生じるので、確率的影響と呼ばれる。
  5. 白血病やがんは、微量な放射線に被ばくした場合でも発生する可能性があるので、確定的影響と呼ばれる。

 

 

 

 

解  2, 3

 

問132

残留塩素による大腸菌の 99%不活性化に要する濃度と作用時間の関係を図に示した。水の塩素処理及び図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO-)と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の 99%不活性化の効果が高い。
  2. ClO- は、水道水質基準を満たしていれば、大腸菌を 10 分以内に 99%不活性化することができる。
  3. モノクロラミン(NH2Cl)は、水道水の水質管理目標値(残留塩素 1 mg/L 以下)において大腸菌を 10 分以内に 99%不活性化することができる。
  4. 3 種の残留塩素を比較した場合、有効塩素濃度(C)と 99%不活性化に要する作用時間(T)の積(CT 値)が大きいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。
  5. HClO、ClO- 及び NH2Cl は、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と同様の基準値が定められている。

 

 

 

 

解  1, 2

 

問133

ウィンクラー法による水中の溶存酸素量(DO)の測定法の概略を以下にまとめた。

【操作A】 試料水で充満させた測定瓶に MnSO4 溶液 1 mL 及びアルカリ性ヨウ化カリウム(KI)・アジ化ナトリウム溶液 ₁ mL を加え、栓をした後、転倒混和し、静置する。
【操作B】 濃硫酸 1 mL を、沈殿を巻き上げないように測定瓶に加え、直ちに栓をして転倒混和する。
【操作C】 測定瓶から試料水の一定量を分取し、生じたヨウ素の量をデンプン試薬
を用いてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。

この方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンと溶存酸素との反応を促進させるためである。
  2. 操作Aによって生じた沈殿は、亜マンガン酸である。
  3. 操作Aを行った後、上清中の DO は、この操作の原理上、ゼロとなる。
  4. 操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下で KI が還元されるためである。
  5. 操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は無色から青色へ変化する。

 

 

 

 

解  2, 3

 

問134

大気汚染物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 二酸化硫黄から生じる硫酸ミストは、他の硫黄酸化物と比べ、目や気道粘膜への刺激が強い。
  2. ザルツマン法を用いて、一酸化窒素と二酸化窒素を分別定量する際は、二酸化窒素を一酸化窒素に還元しなければならない。
  3. 一酸化窒素は、ヘモグロビンと結合してニトロソヘモグロビンを生成し、血液の酸素運搬能を低下させる。
  4. 光化学オキシダントの年平均濃度は漸減傾向にあり、全国的に環境基準を達成している。
  5. 光化学オキシダントの測定では、溶液導電率法によりオゾンを定量する。

 

 

 

 

解  1, 3

 

問135

室内環境衛生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アスマン通風乾湿計において、乾球温度と湿球温度が同じ室内では、相対湿度が 100%である。
  2. カタ係数が同じ乾カタ温度計を用いた場合、38 ℃から 35 ℃まで下降するのに要する時間が短いほど、乾カタ冷却力は小さい。
  3. 感覚温度は、アスマン通風乾湿計及び黒球温度計を用いて求めることができる。
  4. 気温と気湿が同じ室内では、気動が大きいほど乾カタ冷却力は大きい。

 

 

 

 

解  1, 4

 

問136

マニフェスト制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 循環型社会の形成を目的として、廃棄物リサイクル利用を促進する制度である。
  2. マニフェストとは、排出事業者が委託事業者に交付する産業廃棄物管理票のことである。
  3. 廃棄物のうち、特別管理産業廃棄物のみを対象にマニフェストの交付が義務づけられている。
  4. 排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合も、マニフェストの交付は必要である。
  5. 排出事業者及び処理業者が、産業廃棄物の不適正処理を行った場合、刑事処分を受けることがある。

 

 

 

 

解  2, 5

 

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