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第103回 問256-265
問256-257
50歳女性。頻尿、排尿痛があり泌尿器科を受診し、尿道炎と診断され処方(処方1)が出された。
同日、歯科にて抜歯し処方(処方2)が出され、近くの薬局にて処方1と2の薬を受け取った。
4日後薬局に電話をかけ、「もらった薬は決められたように飲んでいる。痛み止めは昨日まで7回飲んだ。昨日から太ももが痛く、今日は、手足がだるく、足に力が入らず歩けないため仕事を休んだ。このまま薬を服用していいか。」と相談した。
来局時、お薬手帳は持参しておらず、聞き取りでは「薬の名前は覚えていないが、他の薬局でもらった骨の薬と、コレステロールの薬と、胃薬を飲んでいる。」とのことであった。
そこで、薬剤師が電話口でこの女性にお薬手帳を確認してもらったところ、1年ほど前から他の薬局にて調剤された薬剤を継続服用していることが明らかになった。
薬剤師は薬物相互作用を疑い、直ちに処方医に連絡をした。
(処方1)
クラリスロマイシン錠200mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 5日分
(処方2)
ロキソプロフェンナトリウム水和物錠60mg 1回1錠 疼痛時 15回分
他の薬局で調剤された薬剤
アルファカルシドールカプセル0.25μg
ポラプレジンク口腔内崩壊錠75mg
シンバスタチン錠10mg
問256
次の作用様式のうち、この患者が服用した5つの薬物のいずれかの作用機序に当てはまるのはどれか。2つ選べ。
- 核内受容体刺激
- Gタンパク共役型受容体遮断
- DNA複製阻害
- 細菌のリボソームでのタンパク質合成阻害
- タンパク分解酵素阻害
解 1,4
問257
薬剤師が薬物相互作用の原因と考えた薬剤はどれか。2つ選べ。
- アルファカルシドールカプセル
- ポラプレジンク口腔内崩壊錠
- シンバスタチン錠
- クラリスロマイシン錠
- ロキソプロフェンナトリウム水和物錠
解 3,4
問258-259
71歳男性。3年前に慢性閉塞性動脈硬化症と診断されたが、自覚症状は無く弾性靴下によるフットケアと運動療法を行っていた。
最近、痛みと跛行が出てきたので、薬物療法も実施することとなった。
患者は爪白癬治療のためイトラコナゾールを服用中である。
問258
この患者の治療薬として適切でないのはどれか。1つ選べ。
- アルプロスタジル
- ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
- サルポグレラート塩酸塩
- チクロピジン塩酸塩
- イコサペント酸エチル
解 2
問259
前問の選択肢1~5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- セロトニン5-HT1受容体を遮断する。
- アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa因子を抑制する。
- トロンボキサンA2の産生を抑制する。
- 血小板におけるサイクリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。
- 血小板におけるcAMPの産生を促進する。
解 3,5
問260-261
35歳女性。体重55kg。C型慢性肝炎と診断され、治療開始となった。
ペグインターフェロンアルファ-2a(週1回皮下注射)での治療が開始され、以下の処方が出された。
(処方1)
シメプレビルナトリウムカプセル100mg 1回1カプセル(1日1カプセル) 1日1回 朝食後 14日分
(処方2)
リバビリン錠200mg 朝1錠、夕2錠(1日3錠) 1日2回 朝夕食後 14日分
問260
この患者に使用する治療薬のC型肝炎ウイルスに対する作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- NS5Bポリメラーゼを阻害する。
- NS3/4Aプロテアーゼを阻害する。
- RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。
- DNAポリメラーゼを阻害する。
- 逆転写酵素を阻害する。
解 1,2,3
(選択肢に正解が3つあるため、いずれか2つを選べば正解です。)
問261
薬剤師が患者に対して指導・説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 眠れない、食欲がない、意欲がないなどの症状が出たら、医師又は薬剤師に申し出てください。
- 熱が出たら、市販の解熱薬を服用し、様子を見てください。
- 朝食後飲み忘れた場合は、その日の夕食後服用分と合わせて、夕食後に服用してください。
- 催奇形性がある薬が含まれているので、避妊してください。
解 1,4
問262-265
78歳女性。関節リウマチのためメトトレキサートを服用中。
病棟での薬剤管理指導の面談で、最近疲れやすく、口内炎がひどいとの訴えがあった。
検査データ:AST 90U/L、ALT 75U/L、MCV 105fL、白血球数 1,300/μL、血小板数 30,000/μL
問262
医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ホリナートカルシウム錠
- トファシチニブクエン酸塩錠
- デキサメタゾン錠
- エポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液
- タクロリムス水和物カプセル
解 1
問263
前問で適切と考えられた薬物の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。
- カルシニューリンを阻害し、インターロイキンなどのサイトカイン産生を抑制する。
- 細胞内に取り込まれて活性型葉酸となり、核酸合成を再開させる。
- 赤芽球前駆細胞に作用し、赤血球への分化増殖を促進する。
- ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害し、免疫反応を抑制する。
- 細胞内のグルココルチコイド受容体と複合体を形成し、抗炎症作用を示す。
解 2
問264
その後、発熱、乾性咳嗽、息切れがあるとの訴えがあり、検査の結果、メトトレキサートが原因の間質性肺炎が疑われた。
医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ピルフェニドン錠
- テルブタリン硫酸塩錠
- インフリキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物錠
- プレドニゾロン錠
解 5
問265
前問で適切と考えられた薬物の薬理作用として正しいのはどれか。1つ選べ。
- TNF-α(腫瘍壊死因子-α)を捕捉する。
- 咳中枢に作用して咳嗽反射閾値を上昇させる。
- 気管支平滑筋のGタンパク共役型受容体を刺激する。
- 細胞質において受容体と結合し、この複合体が核内へ移行した後に転写活性を変化させる。
- TGF-β(トランスフォーミング増殖因子-β)を捕捉する。。
解 4
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