◎薬理 ◎実務 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【薬理/実務】薬学実践問題 問246-255



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第103回 問246-255

問246-247

66 歳男性。内科で処方された以下の薬剤(処方 1 、 2 )を指示通りに服用していた。別の病院の泌尿器科を受診し、前立腺肥大症と診断された。泌尿器科で処方された前立腺肥大症治療薬を自宅で服用したところ、ひどい立ちくらみが起こり救急車で搬送され、血圧降下が原因と診断された。

(処方1) 
オルメサルタンメドキソミル錠20 mg1回1錠(1日1錠)
シタグリプチンリン酸塩水和物錠50 mg1回1錠(1日1錠)
アスピリン腸溶錠100 mg1回1錠(1日1錠)
ラベプラゾールナトリウム錠5 mg1回1錠(1日1錠)
 1日1回 朝食後 28日分
(処方2) 
イコサペント酸エチル粒状カプセル900 mg1回1包(1日2包)
 1日2回 朝夕食後 28日分

 

問246

泌尿器科から処方された前立腺肥大症治療薬で、上記処方薬との併用で強い血圧降下の原因となった可能性があるのはどれか。1つ選べ。

  1. ナフトピジル
  2. デュタステリド
  3. アリルエストレノール
  4. セルニチンポーレンエキス
  5. ビカルタミド

 

 

 

 

 

解   1

 

問247

この患者で立ちくらみの原因となった薬の作用点はどれか。2つ選べ。

  1. アドレナリン α1 受容体
  2. アンギオテンシンⅡAT1 受容体
  3. H+,K+ - ATPase
  4. シクロオキシゲナーゼ
  5. アンドロゲン受容体

 

 

 

 

 

解    1,2

 

問248-249

62 歳女性。毎日午前 1 時に就寝し、午前 6 時に起床する規則的な生活をしている。最近寝付きが悪い日が続いた。薬局で睡眠改善薬の一般用医薬品を購入して服用したが、改善されなかった。そこで専門医を受診し、すぐに眠れて朝すっきり起きられるような薬を希望し、睡眠薬が処方されることになった。

 

問248

処方される薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. アモバルビタール錠
  2. スボレキサント錠
  3. エスタゾラム錠
  4. フルニトラゼパム錠
  5. ゾルピデム酒石酸塩錠

 

 

 

 

 

解     5

 

問249

前問の選択肢 1 ~ 5 に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 視床下部のヒスタミン作動性神経を抑制する。
  2. 大脳辺縁系に分布する γ - アミノ酪酸 GABAA 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAA 受容体の GABA に対する親和性を高める。
  3. 視交叉上核に分布するメラトニン受容体を刺激する。
  4. 脳幹網様体に分布する γ -アミノ酪酸 GABAA 受容体の GABA 結合部位に結合し、GABAA 受容体の機能を亢進する。
  5. オレキシン受容体を遮断することで脳内におけるモノアミン神経系を抑制する。

 

 

 

 

 

 

解    2,5

 

問250-251

45 歳男性。「最近、肩こりや腰痛がひどく、寝付きも悪く、しだいに朝起きるのがつらくなった。不安感が強く、仕事が楽しいと感じることもなくなり、職場に行くことが苦痛である。」と訴え心療内科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

(処方1)

ロラゼパム錠1mg 1回1錠(1日3錠)

チザニジン塩酸塩錠1mg 1回1錠(1日3錠)

1日3回 朝昼夕食後 7日分

(処方2)

ラメルテオン錠8mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 就寝前 7日分

お薬手帳記載事項(現在服用中の薬剤)

ニフェジピン徐放錠40mg(24時間持続) 1回1錠(1日1錠)

プラバスタチンナトリウム錠10mg 1回1錠(1日1錠)

 

問250

薬剤師の服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 眼圧低下が起こることがありますので、物がひずんで見えたり、視野が暗くなったりしたら、すぐに薬剤師に相談してください。
  2. 立ち上がる際は、ゆっくりと立ち上がり、めまいやふらつきに注意してください。
  3. 薬の影響で、尿や汗に赤い色がつくことがあります。
  4. 自動車の運転等の危険を伴う機械の操作は避けてください。

 

 

 

 

 

 

解  2,4

 

問251

1 週間後、以下の処方 ₃ が追加された処方箋を持って、再度薬局を訪れた。

(処方3)
フルボキサミンマレイン酸塩錠25mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 7日分

この患者が服用している薬剤の中に追加薬剤と併用禁忌のものが 2 つあるため、処方を追加した医師に疑義照会を行った。併用によって生じる副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. アドレナリン α2 受容体が過剰に刺激され、著しい血圧低下が現れる。
  2. Ca2+ チャネルが過剰に阻害され、著しい血圧上昇が現れる。
  3. γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体が過剰に活性化され、著しい筋弛緩作用が現れる。
  4. メラトニン受容体が過剰に刺激され、催眠作用が著しく増強される。
  5. HMG-CoA 還元酵素が過剰に阻害され、横絞筋融解症の発症リスクが高まる。

 

 

 

 

 

 

解  1,4

 

問252-253

76歳女性。狭心症。大学病院の紹介で、自宅近くの診療所を初めて受診し、以下の処方箋を薬局に持参した。

薬剤師が、初回来局である患者の聞き取りを行ったところ、歯科治療中であった。

 

(処方1)

リシノプリル水和物錠10mg 1回1錠(1日1錠)

アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)

ボノプラザンフマル酸錠10mg 1回1錠(1日1錠)

ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル100mg 1回1カプセル(1日1カプセル)

1日1回 朝食後 28日分

 

(処方2)

ロスバスタチンカルシウム錠2.5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 夕食後 28日分

 

(処方3)

ニコランジル錠5mg 1回1錠(1日3錠) 1日3回 朝昼夕食後 28日分

 

(処方4)

硝酸イソソルビドテープ40mg 1回l枚(1日1枚) 1日1回 起床時 28日分

 

問252

薬剤師がこの患者に行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 咳が続く時は、医師又は薬剤師に相談してください。
  2. テープ剤は、必ず、心臓の真上に貼ってください。
  3. 抜歯の際は、ボノプラザンフマル酸錠の服用を中止してください。
  4. 頭痛、立ちくらみが起こることがあるので注意してください。

 

 

 

 

 

解   1,4 

 

問253

処方された薬物のうち、サイクリックGMP(cGMP)依存性プロテインキナーゼを活性化して血管拡張作用を示すのはどれか。2選べ。

  1. リシノプリル
  2. アスピリン
  3. ジルチアゼム
  4. ニコランジル
  5. 硝酸イソソルビド

 

 

 

 

 

解  4,5

 

問254-255

42歳女性。食後、みぞおちに差し込むような痛みが続いたため内科を受診し、胆石症による痛みと診断された。

 

問254

この患者の治療薬として適切なのはどれか。2選べ。

  1. ウルソデオキシコール酸
  2. カモスタットメシル酸塩
  3. ランソプラゾール
  4. フロプロピオン
  5. シメチジン

 

 

 

 

 

解      1,4

 

問255

前問で適切と考えられた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

  1. 胆石表面のコレステロールをミセル化することで胆石を溶解する。
  2. 胆嚢からの胆汁排泄を抑制する。
  3. カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させる。
  4. タンパク質分解酵素を阻害する。
  5. HKATPaseを阻害する。

 

 

 

 

 

解    1,3

 

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