◎病態・薬物治療 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【病態・薬物治療】薬学理論問題 問181-195



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第103回 問181-195

問181

浮腫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. うっ血性心不全では、一般的に朝方に強く浮腫が認められる。
  2. 糸球体腎炎では、起床時に顔面、眼瞼に浮腫が認められる。
  3. 高齢者における腎性浮腫では、高アルブミン血症を呈する。
  4. 肝硬変では、低アルブミン血症により浮腫が起こる。
  5. 薬剤性浮腫の原因薬物として、非ステロイド性抗炎症薬がある。

 

 

 

 

 

 

解 1,3

 

問182

65 歳女性。脳血管疾患の既往無し。数年前より軽度認知障害があり、CT 検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。下記の処方で服薬は正しくなされていた。最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。2つ選べ。

(処方)
ドネペジル塩酸塩錠 5 mg  1 回 1 錠( 1日 1 錠)
   1日 1回 朝食後 28日分

 

  1. ドネペジル塩酸塩の増量
  2. リバスチグミンの併用
  3. ガランタミン臭化水素酸塩の併用
  4. メマンチン塩酸塩の併用
  5. メチルフェニデート塩酸塩の併用

 

 

 

 

 

 

解  1,4

 

問183

ネフローゼ症候群の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 低アルブミン血症が認められる。
  2. 食事療法は高タンパク食を基本とする。
  3. 浮腫の改善にはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬が用いられる。
  4. 血液凝固能亢進の改善の第一選択薬として、アスピリンが用いられる。
  5. ステロイド抵抗性を示す場合は、免疫抑制薬が併用される。

 

 

 

 

 

 

解 1,5

 

 

問184

40 歳女性。丸顔と中心性の肥満を伴った高血圧症と糖尿病の患者。二次性高血圧の精査のため受診したところ、早朝空腹時の血中 ACTH とコルチゾールの高値を認めた。そこで入院の上、就寝前に 0.5 mg のデキサメタゾンを内服して翌朝の血 中 コ ル チ ゾ ー ル を 測 定 し た と こ ろ 12 ng/dL で あ っ た。 翌 日、 就 寝 前 に8 mg のデキサメタゾンを内服して、その翌朝に血中コルチゾールを測定すると3 µg/dL であった。
本症例の病態として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. クッシング病
  2. 異所性 ACTH 産生腫瘍
  3. 副腎腺腫
  4. 副腎癌
  5. 副腎皮質過形成

 

 

 

 

 

 

解      1

 

問185

てんかんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 脳に器質的な損傷があるために起こる症候性てんかんと、脳に明確な障害がなく原因が特定できない特発性てんかんがある。
  2. 単純部分発作は意識消失を起こす。
  3. 欠神発作は、身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作で、意識障害を認める。
  4. てんかんの診断には、脳波検査よりも CT や MRI などによる頭部画像検査が有用である。
  5. 原発性てんかん患者において抗てんかん薬を中止するには、 2 年間以上の発作消失が必要である。

 

 

 

 

 

 

解  1,5

 

問186

₈ 歳男児。学校の授業中に先生の話を聞いていない。着席しても落ち着かず、離席もあり、集中できず、ミスが多く、忘れっぽい。休み時間に大声を出したり、動き回ったりし、順番を待つことができない。知能は正常であるが周囲の子ども達となじめず、親が心配して病院を受診させたところ、注意欠陥・多動性障害と診断された。
この疾患の病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メチルフェニデート塩酸塩徐放錠が使用できる。
  2. アトモキセチン塩酸塩は他の治療薬に比べて依存性が強い。
  3. 環境調節などの配慮の必要はない。
  4. 主症状には、不注意、多動性、衝動性の 3 つがある。
  5. 主症状は成人期以降に消失する。

 

 

 

 

 

 

解  1,4

 

問187

じん麻疹及び薬疹に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. じん麻疹は、主に血管透過性亢進により生じる。
  2. じん麻疹の症状の ₁ つに、血管性浮腫がある。
  3. じん麻疹の多くは、そう痒感を伴わない。
  4. 中毒性表皮壊死症の早期に発熱はみられない。
  5. Stevens-Johnson 症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の局所投与を行う。

 

 

 

 

 

 

解  1,2

 

問188

全身性エリテマトーデス(SLE)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 自己抗体により形成される免疫複合体が組織に沈着し、臓器に慢性の炎症を引き起こす。
  2. 特徴的な症状として両側頬部にわたる蝶形紅斑が認められる。
  3. 関節所見としては関節痛や関節炎が主体で、骨破壊はまれである。
  4. 40~50 歳代の女性に好発する。
  5. 肝機能の悪化は SLE の予後を左右する最も重要な因子である。

 

 

 

 

 

 

解  4,5

 

問189

76 歳女性。長期入院中。ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができている。本患者に対する治療として提案すべきことはどれか。2つ選べ。

  1. 精製白糖・ポビドンヨードによる創面保護
  2. 積極的な体位変換
  3. トリアゾラムの服用
  4. 湿潤を保つためのドレッシング剤の使用
  5. 栄養状態の改善

 

 

 

 

 

 

解       2,5

 

問190

医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:RMP)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. RMP は、治験の第三相試験を開始するまでに策定しなければならない。
  2. 安全性検討事項は、重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク、重要な不足情報に分類される。
  3. 市販直後調査は、医薬品安全性監視計画に含まれる。
  4. 添付文書の作成や改訂は、リスク最小化計画には含まれない。
  5. バイオ後続品については、RMP を策定しなくてもよい。

 

 

 

 

 

 

解   2,3

 

問191

抗不整脈薬投与患者で低血糖の症例をしばしば経験した薬剤師が、自施設の患者における抗不整脈薬の服用と低血糖の発症との関連性を調査した。低血糖発症患者(n = 90)と、年齢及び性別でマッチングした低血糖非発症患者(n = 450)を選択して、過去 ₁ 年間のカルテを調査した。対象患者における抗不整脈薬A、B、Cの処方の有無を調査した結果を表に示す。
次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. この調査はコホート研究に分類される。
  2. この調査は介入研究に分類される。
  3. A非服用者を対照とした場合、A服用者の低血糖発症のオッズ比は 1 である。
  4. 低血糖の発症リスクはB非服用者より、B服用者の方が高い。
  5. 低血糖の発症リスクはCの方が他の 2 剤に比べて高い。

 

 

 

 

 

 

解 3,5

 

問192-193

医師から「 2 型糖尿病患者に脂質異常症治療薬Aを投与した際の、動脈硬化性疾患に対する予防効果(心血管疾患予防)について教えてほしい」と問合せがあった。薬剤師が文献調査をした結果、動脈硬化性疾患の既往歴がない 2 型糖尿病患者(40~75 歳)を、「A投与群」又は「A非投与群」の 2 群に無作為に割付し、心血管死、脳血管障害、急性冠症候群などの動脈硬化性の心血管イベントの発症率を比較した論文を得ることができた。平均追跡期間は 5 年で、図に示した結果が得られている。

 

問192

得られた論文の批判的吟味に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 「情報の批判的吟味」は EBM 実践のプロセスの最初のステップである。
  2. 臨床研究の手法が正しかったのか、得られた結果が信用できるのかといった研究成果の正確度や再現性について、外的妥当性を評価する。
  3. この図の評価項目は、真のエンドポイントを用いていると考えられる。
  4. この図から、ハザード比の 95%信頼区間が ₁ を挟んでいないこと及び p 値から、両群間に統計学的に有意な差が見出されたといえる。
  5. この図から、A投与群はA非投与群に比べ心血管イベントの発症リスクを 81%減少させたと判断できる。

 

 

 

 

 

 

解 3,4

 

問193

前問のデータ解析方法に関する文中の[ ]に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。

  1. ログランク検定
  2. Kruskal-Wallis 検定
  3. Cox 回帰分析
  4. ロジスティック回帰分析
  5. 重回帰分析

 

 

 

 

 

 

解     3

 

問194

薬物代謝酵素の遺伝子多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. CYP2C19 の poor metabolizer(PM)では、オメプラゾール併用のピロリ菌除菌療法の効果が減弱する。
  2. CYP2D6 の extensive metabolizer(EM)では、コデインの鎮痛効果が減弱する。
  3. CYP2C9 の PM では、フェニトインによる中枢毒性発現のリスクが増大する。
  4. N-アセチル転移酵素 2 (NAT2)の slow acetylator(SA)では、イソニアジドによる副作用のリスクが増大する。
  5. CYP2C19 の PM の頻度は欧米人では 5 ~10%であるが、日本人では約 1 %である。

 

 

 

 

 

解    3,4

 

問195

薬物の乳汁移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 母乳 pH は血漿 pH よりも高値であるため、塩基性薬物は母乳中に移行しやすい。
  2. 相対的乳児摂取量は、薬物の乳汁中濃度と母体血漿中濃度の比に 100 を乗じて算出する。
  3. 乳汁/血漿中薬物濃度比(M:P 比)に影響を及ぼす要因として、薬物の脂溶性、分子量、タンパク結合率、pKa がある。
  4. ブロモクリプチンは、母乳中への移行が多い。
  5. 炭酸リチウムは、母乳中へ移行するが、服薬と授乳のタイミングを工夫することで、授乳婦への投与は可能である。

 

 

 

 

 

解  3

 

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