◎衛生 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【衛生】薬学理論問題 問121-140



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第103回 問121-140

問121

交通事故により顔面を損傷し食事を経口摂取できない入院患者(20 歳男性、60 kg、基礎疾患なし)に、高カロリー輸液を行うことになった。身動きできないので身体活動レベルは 1-2 と評価された。グルコースのみでエネルギー補給する場合、 1日に必要と推定されるグルコース量(g)はどれか。1つ選べ。ただし、20歳の男性の基礎代謝基準値を 25.0 kcal/kg 体重とする。

  1. 200
  2. 375
  3. 450
  4. 18,00
  5. 7,200

 

 

 

 

 

解 3

 

問122

食品のメイラード反応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. トーストしたパンの褐変や、香気成分の生成に関わる。
  2. この反応によって生じるメラノイジンは、抗酸化作用を有している。
  3. リシンの ε-アミノ基がこの反応を受けると、栄養価は低下する。
  4. リンゴの皮をむいて空気中に放置すると、この反応により褐変する。
  5. ポテトチップス製造時におけるアクリルアミドの生成にも関与している。

 

 

 

 

 

 

解  4

 

問123

油脂の変敗に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. オレイン酸のみを含む油脂より、リノール酸のみを含む油脂の方が酸化されやすい。
  2. 同じ条件で酸化したとき、c︲リノレン酸のみを含む油脂より、α-リノレン酸の
    みを含む油脂の方が、カルボニル価は著しく速く上昇する。
  3. 不飽和脂肪酸を含む油脂のヨウ素価は、酸化により上昇する。
  4. 酸化により油脂中の脂質ヒドロペルオキシドが増加すると、過酸化物価の測定において、滴定に要するチオ硫酸ナトリウムの量は減少する。
  5. 食品添加物として添加したビタミンEは、不飽和脂肪酸を含む油脂の過酸化物価の上昇を抑制する。

 

 

 

 

 

解 1,5

 

問124

食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
  2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
  3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
  4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
  5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。

 

 

 

 

 

解 1,4

 

問125

表は、我が国における 1995 年と 2015 年の年齢三区分別人口構成割合及び 2035年における予測値を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

 

  1. 年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。
  2. この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20 年より短い。
  3. 1995 年から 2015 年にかけて、老年化指数は 2 倍以上上昇している。
  4. 2015 年における老年人口指数は 50 を上回る。
  5. 2035 年に予測される年少人口指数は 15 を下回る。

 

 

 

 

 

解  1,3

 

問126

図は、1955 年から 2015 年までの全悪性新生物及び部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移を示したものである。A~Fは、乳房、肺(気管、気管支及び肺)、胃、肝臓、大腸及び子宮のいずれかに対応している。これらの年次推移に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. Aの年齢調整死亡率が低下し続けている要因として、がんの早期発見や食生活の変化が考えられる。
  2. Bの年齢調整死亡率が 1990 年代後半まで上昇した主な要因として、飲酒やウイルス感染の関与が考えられる。
  3. Cの年齢調整死亡率が 1990 年代後半まで上昇した要因の ₁ つとして、食事内容の欧米化が考えられる。
  4. Eの年齢調整死亡率の低下の主な要因として、ワクチンの定期接種によるEの罹患率の低下が考えられる。
  5. 近年、全悪性新生物の年齢調整死亡率が男女とも低下しているが、粗死亡率も同様に低下している。

 

 

 

 

 

解 1,3

 

問127

表は、福岡県の久山町研究において 65 歳以上の住民 826 名を 15 年間追跡し、65 歳の時点での高血圧と耐糖能異常が、その後の脳血管性認知症とアルツハイマー病の発症に及ぼす影響について調べたものである。この結果から導き出される結論として誤っているのはどれか。2つ選べ。

収縮期血圧 140 mmHg 以上、又は拡張期血圧 90 mmHg 以上、又は降圧薬内服者を(+)とした。
空腹時血糖値 115 mg/dL 以上、又は食後 2 時間以後の血糖値 140 mg/dL 以上、又は随時血糖値 200 mg/dL 以上、又は糖尿病の病歴ありの者を(+)とした。
高血圧及び耐糖能異常がいずれも(-)の群を基準群(1-0)として表示した。
基準群と比較して有意差あり。相対危険度の 95%信頼区間が 1.0 を含まない場合に有意とした。

 

  1. 耐糖能異常は、単独でアルツハイマー病の危険因子となる。
  2. 耐糖能異常がない場合、高血圧はアルツハイマー病を抑制する因子となる。
  3. 高血圧及び耐糖能異常は、いずれも単独で脳血管性認知症の危険因子となる。
  4. 脳血管性認知症は高血圧の危険因子となる。
  5. 高血圧はアルツハイマー病に対する耐糖能異常の影響を解析する上で、交絡因子となる。

 

 

 

 

 

解 2,4,5

※いずれか2つ選択で正解とする

 

問128

予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。
  2. 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。。
  3. 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。
  4. 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。
  5. 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MR ワクチンが用いられている。

 

 

 

 

 

解 2,4

 

問 129

我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 新規 HIV 感染者の大半は男性であり、異性との性的接触によるものが最も多い。
  2. 2010 年以降、性器クラミジア感染症の患者数は、性感染症の中で淋菌感染症に次いで多い。
  3. 2010 年以降、梅毒の患者数が増加しているが、その治療には抗ウイルス薬ラミブジンが有効である。
  4. B型肝炎ウイルスはキャリアとの性行為により感染するため、その予防にはコンドームの使用が有効である。
  5. HIV 感染症及び梅毒は、いずれも ₅ 類感染症の中で全数把握が必要な感染症で
    ある。

 

 

 

 

 

解  4,5

 

問130

平成 26 年の特定化学物質等障害予防規則(特化則)の改正により、クロロホルムが特定化学物質に指定され、ベンゼンなどの発がん物質と同様の管理が必要となった。クロロホルムを扱う作業者の労働衛生管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 作業者の健康を管理するため、特化則に基づく定期的な健康診断を実施する必要がある。
  2. 作業場に排気装置を設置すれば、作業環境中のクロロホルム濃度を定期的に測定する必要はない。
  3. クロロホルムの発がん性を踏まえて、作業者の作業記録、健康診断の記録の保存期間は ₅ 年間とされている。
  4. 作業場には、物質名、有害作用、取扱い上の注意、保護具の装着などの掲示を行う必要がある。
  5. クロロホルムへの曝露により、作業者の尿中へのメチル馬尿酸の排泄量が増加する。

 

 

 

 

 

解 1,4

 

問131

グルクロン酸抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. グルクロン酸抱合は解毒反応であり、未変化体に比べ活性が高い代謝物が生成されることはない。
  2. UDP-グルクロン酸転移酵素は小胞体膜に局在する。
  3. グルクロン酸抱合はウリジン二リン酸-β-D-グルクロン酸を補酵素とする。
  4. シトクロム P450 とは異なり、UDP-グルクロン酸転移酵素に酵素誘導は起こらない。
  5. 胆汁中に排泄されたグルクロン酸抱合体は、小腸上皮細胞に発現しているβ-グルクロニダーゼによって加水分解された後、アグリコンが再吸収される。

 

 

 

 

 

解 2

 

問132

以下に構造を示す 2-アセチルアミノフルオレンの代謝と発がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 2-アセチルアミノフルオレンは CYP3A4 により N-水酸化体に代謝される。
  2. N-水酸化体はアセチル化されて解毒される。
  3. N-水酸化体のアセチル化反応において、窒素原子にアセチル基が付加する。
  4. N-水酸化体は硫酸抱合を介して代謝的活性化を受け、ニトレニウムイオンが生成する。
  5. N-水酸化体から生じるメチルカチオンが、DNA に共有結合することにより、発がんに関わる。

 

 

 

 

 

解  4

 

問133

アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示す農薬として、我が国で用いられているのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

解 2,5

 

問134

ある野菜から農薬Aが 0.020 ppm(0.020 mg/kg)検出された。この農薬Aの毒性試験データを下に示す。体重 20 kg の子供が ₁ 日にこの野菜を 10 g 食べたとき、子供が摂取した農薬Aの量は、この農薬の許容一日摂取量(ADI)の何%に相当するか。最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、安全係数を 100 とする。

 

  1. 33
  2. 3.3
  3. 0.33
  4. 0.033
  5. 0.0033
  6. 0.00033

 

 

 

 

解 4

 

問135

表は、放射性物質 131I、134Cs、137Cs 及び 90Sr の物理学的半減期並びに成人における生物学的半減期を示している。これらの放射性物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 

  1. 131I は甲状腺、134Cs 及び 137Cs は骨、90Sr は筋肉組織に蓄積しやすい。
  2. 生物学的半減期は、壊変により親核種の放射能が半分になるまでの時間である。
  3. 乳児や幼児における 131I の生物学的半減期は、表に示した成人の半減期より短い。
  4. 物理学的半減期の値より、32日後における 131I の放射能は約 4 分の 1 になる。
  5. 実効(有効)半減期は、134Cs に比べて 137Cs の方が長い。

 

 

 

 

 

解  3,5

 

問136

食物連鎖及び生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 食物連鎖における高次消費者の個体数は、一次消費者の個体数に比べて多い。
  2. 食物連鎖の結果、有毒渦鞭毛藻を摂食した貝類が麻痺性貝毒を蓄積し、ヒトに中毒を起こすことがある。
  3. 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、前者には食物連鎖の関与が大きい。
  4. 生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度を化学物質の生体内濃度で除した値である。
  5. PCB(ポリ塩化ビフェニル)や DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は、いずれも脂肪組織に移行して残留しやすい性質を有し、海洋生態系において大型魚類に蓄積される。

 

 

 

 

 

解 2,5

 

問137

水道原水の塩素要求量を求めるために、純水及び試料に同量の次亜塩素酸塩を添加し、暗所で一定時間放置後にジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法によって残留塩素を比色定量したところ、表の結果が得られた。この結果から求められるこの水道原水の塩素消費量(mg/L)と塩素要求量(mg/L)として、最も適切な数値の組合せはどれか。1つ選べ。

 

 

 塩素消費量塩素要求量
10.450.80
20.451.15
30.800.45
40.801.15
51.150.45
61.150.80

 

 

 

 

 

 

 

解 2

 

問138

富栄養化とその対策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 湖沼を水源としている水道水では、2-メチルイソボルネオールやジェオスミンによる異臭が発生することがある。
  2. 閉鎖性水域で富栄養化が起こると、酸化鉄の蓄積により赤潮が生じることがある。
  3. 「生活環境の保全に関する環境基準」において、富栄養化の原因となる全窒素及び全リンについて、河川、湖沼及び海域における基準値が定められている。
  4. 下水の高度処理において、活性汚泥中の脱窒菌は嫌気的な条件で硝酸態窒素を還元し、窒素ガスとして大気中に放出する。
  5. 下水の高度処理において、活性汚泥中のリン蓄積細菌は、嫌気的条件でリンを蓄積する。

 

 

 

 

 

 

解 1,4

 

問 139

表は、1999~2014 年度における、ある大気汚染物質Aの年平均値(昼間の日最高 1 時間値の年平均値)及び環境基準達成率を示している。大気汚染物質Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

一般局:一般環境大気測定局、 自排局:自動車排出ガス測定局

  1. 石炭や重油などの化石燃料の燃焼時に、燃料中の硫黄から生成する。
  2. 大気中の窒素酸化物や炭化水素類などの一次汚染物質と紫外線との反応により、二次的に生成する。
  3. 化石燃料中に含まれる窒素化合物や空気中の窒素が、燃焼時に酸化されて生成する。
  4. 高濃度で曝露されると、気管支や肺への障害に加え、メトヘモグロビン血症を引き起こす。
  5. 頭痛、眼やのどへの刺激、呼吸困難を引き起こしたり、植物の葉を変色させることがある。

 

 

 

 

 

 

解  2,5

 

問140

室内換気の重要な指標である二酸化炭素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ヒトの呼気中には、10~15%の二酸化炭素が含まれる。
  2. 血液中では酸素よりも強くヘモグロビンのヘム鉄に結合し、ヘモグロビンの機能を妨げる。
  3. 一酸化炭素とは異なり、非分散型赤外線吸収装置を用いて測定することはできない。
  4. NaOH・チモールフタレイン検知剤を用いた検知管法では、検知剤が二酸化炭素と反応して薄い桃色に変化する。
  5. 学校環境衛生基準では、室内の濃度は 1,500 ppm 以下が望ましいとされている。

 

 

 

 

 

解  4,5

 

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