薬剤

押さえておきたい「生体膜透過(単純拡散・促進拡散)前編」【薬剤】

生体膜透過は薬剤での必須問題です。毎年必ず出ている領域です。

「毎年必ず!!」です。

「今日の勉強で1点プラスになった」と考えるよりも「知らなければ1点マイナスになってしまう…」と言っていいのではというくらい大切な領域です。

押さえておかなければならないポイントは、まず3つ。

この領域に関しては、隅から隅まで押さえておいてもらいたいところですが、まず3つの要点から勉強していきましょう。

 



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生体膜透過の出題ポイント!

ポイント①

『透過するときに、「ATPがいるかどうか」「担体がいるかどうか」』

単純拡散・担体輸送(促進拡散・能動輸送)・膜動輸送の4種類で、「ATP」「担体」がいるかどうか、それがすぐにわかればまずは第一段階クリアです。

ATPを利用するということは、つまり濃度に逆らって膜を通過することができるということです。

通常であれば、物質は多いところから少ないところに向かって移動します(拡散)。

ATPの力があれば濃度に関係なく移動することができます。

ATPを必要とする→能動輸送、膜動輸送
(ATPを必要としない膜透過は、「○○拡散」と名前がつきます)

次に担体(トランスポーター)です。

担体(トランスポーター)には数に限りがあるため、飽和してしまいます。

担体を必要とする→促進拡散、能動輸送

まとめると、

  1. ATPが必要→濃度勾配を無視できる
  2. 担体(トランスポーター)が必要→飽和してしまいます。
    また同じ担体を使用する場合は、競合してしまいます(奪い合う)。

 

ポイント②

『関係のある法則・式を挙げることが出来る』

  • 単純拡散→Flickの法則(濃度勾配に比例する、膜の厚さに反比例する)、pH分配仮説に従う(細胞膜は油なので、イオンは透過しない。透過するのは分子型)
  • 担体輸送→Michaelis-Menten 式

上記について覚えておいてください。

またFlickの法則とMichaelis-Menten 式は、ポイント①と関係します。

それぞれ

  • Flickの法則→濃度勾配による透過を表現した式
  • Michaelis-Menten 式→飽和する際の透過速度を導く式

 

ポイント③

能動輸送を極める

能動輸送を「き・わ・め・る」です。

まずは、「一次性能動輸送」「二次性能動輸送」の代表的なトランスポーターです。

一次性能動輸送の代表的なトランスポーターは、「Na+/ATPase」「P-糖たんぱく質」(ATPを直接使用)

二次性能動輸送の代表的なトランスポーターは、「Na/アミノ酸共輸送系」「H+ /ペプチド共輸送」(ATPを間接的使用、共輸送、逆輸送などなど)

次に、P-糖タンパク質の基質となる薬剤をセットで覚えてください。

P-糖たんぱく質は、上記で示したように一次性能動輸送の代表的なトランスポーターです。

P-糖タンパク質(薬物排泄に関係する)→シクロスポリン、タクロリムス、ジゴキシン・・・(たくさんあります)

全てを覚えないといけないわけではありませんが、しっかりと目を通して、どういった系統(免疫抑制剤、悪性腫瘍薬・・)があるか確認しておいてください。

 

過去問を解いてみよう!

99回 問160

薬物の生体膜輸送についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 単純拡散による輸送速度は薬物濃度差に比例するが、促進拡散及び能動輸送では飽和性が見られる。
  2. 単純拡散による輸送は生体エネルギーを必要としないが、促進拡散及び能動輸送では生体エネルギーを必要とする。
  3. 単純拡散及び促進拡散の場合、薬物の濃度勾配に従って輸送されるが、能動輸送では濃度勾配に逆らって輸送される場合がある。
  4. 能動輸送はトランスポーターを介して起こるが、単純拡散及び促進拡散にはトランスポーターは関与しない。
  5. 単純拡散及び促進拡散の場合、構造類似体の共存による影響は受けないが、能動輸送では影響を受ける場合がある。

 

 

 

 

解 13

 

102回 問42

二次性能動輸送の駆動力となるイオン濃度勾配を形成する一次性能動輸送担体はどれか。1つ選べ。

  1. Na+, K+ATPase
  2. Na+/グルコース共輸送体
  3. Na+/H+交換輸送体
  4. P-糖タンパク質
  5. H+/ペプチド共輸送体

 

 

 

 

解 1

 

103回 問166

トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 促進拡散型ト ランスポーターは、電気化学ポテンシャル差を駆動力とする。
  2. ミカエリス定数に比べて低い基質濃度での輸送速度は、濃度によらず一定となる。
  3. ペプチドトランスポーターPEPT1によるセファレキシン輸送の駆動力は、プロトン濃度勾配である。
  4. 有機アニオントランスポーターOAT1によるメトトレキサート輸送は、ATP の加水分解エネルギーを駆動力として直接利用する。
  5.  P-糖タンパク質によるシクロスポリンの輸送は、二次性能動輸送である。

 

 

 

 

解 1

 

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