◎衛生 第102回

薬剤師国家試験 過去問 第102回【衛生】薬学理論問題 問121-140



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第102回 問121-140

問121

下図は、午前に1回だけ(午前7~8時)食事を摂取した際に考えられる血糖値と血中インスリン濃度の経時変化(午前0時~午後1時)を示したものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。

  1. Aの時点の血糖値は、主に筋肉から放出されたグルコースに由来する。
  2. Bの時点の血糖値の上昇には、小腸粘膜上皮細胞の SGLT1によるグルコースの取り込みが関与している。
  3. Bの時点において、インスリンは膵臓から十二指腸の管腔内に分泌され、グルコースの腸管での吸収を促進する。
  4. Cの時点において、インスリン依存的に活性化された GLUT4により筋肉にグルコースが取り込まれている。
  5. Cの時点において、インスリン依存的に肝臓でのグリコーゲンの分解が促進されている。

 

 

 

 

 

 

 

解 2, 4

 

問122

食品表示法に基づく食品表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. n-3系脂肪酸、ビタミンK及びカリウムは、栄養機能食品の栄養成分として栄養機能表示が認められている。
  2. 特定保健用食品において、疾病リスク低減表示が認められている関与成分には、葉酸、カルシウム及びヘム鉄がある。
  3. 機能性表示食品では、科学的根拠を有する関与成分について、企業の責任において疾病リスク低減表示が認められている。
  4. 食品に含まれるナトリウムは、食塩相当量ではなく、ナトリウム量として表示する。
  5. 特定原材料又は L-フェニルアラニン化合物を含む加工食品では、表示可能面積が小さくても、これを含む旨の表示を省略してはいけない。

 

 

 

 

 

 

解  1, 5

 

問123

50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。2つ選べ。

  1. アコニチン
  2. アミグダリン
  3. スコポラミン
  4. チャコニン
  5. l-ヒヨスチアミン

 

 

 

 

 

 

解 3,5

 

問124

以下の表における観察集団⑴及び観察集団⑵の人口統計についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 粗死亡率は、観察集団⑴より観察集団⑵の方が高い。
  2. 老年人口割合は、観察集団⑴より観察集団⑵の方が高い。
  3. 65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団⑴より観察集団⑵の方が低い。
  4. 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団⑴では 41より小さな値になる。
  5. 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団⑴より観察集団⑵の方が高い値を示す。

 

 

 

 

 

 

解 2, 4

 

問125

喫煙者と非喫煙者における脳血管疾患の年齢階級別発生率を調べ、喫煙と脳血管疾患との関係を調べたところ、表に示す結果が得られた。この結果に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. この表は、症例-対照研究の結果を示している。
  2. この表における相対危険度は、喫煙をやめることによって脳血管疾患発症数がどれくらい減少できるかを示している。
  3. 全ての年齢群のうち、55~59歳の群は、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられる。
  4. 65~69歳の群の相対危険度の値が全ての年齢群の値より低いのは、加齢によって脳血管疾患の発症率が喫煙の有無にかかわらず高くなるためであると考えられる。
  5. 喫煙と脳血管疾患発症率との関係を解析する上で、年齢が交絡因子となっている。

 

 

 

 

 

 

解  4,5

 

問126

C型肝炎ウイルス(HCV)感染歴と肝細胞がん発症の関係を調べるため、ある病院において、肝細胞がんの患者 100人、及び対照群として性・年齢・喫煙歴・アルコール摂取歴をマッチングさせた別の病気の患者 200人を選び出し、抗 HCV抗体の有無を調べた。その結果、肝細胞がん患者の 80人、対照群の 20人が抗体陽性者であった。この調査から求められる肝細胞がん発症における HCV感染歴のオッズ比として、正しいのはどれか。1 つ選べ。

  1. 4.0
  2. 4.9
  3. 8.0
  4. 16
  5. 36

 

 

 

 

 

 

 

解 5

 

問127

下表は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において、ある1つの類型に分類される感染症の特徴及び主な対応・措置を示したものである。この類型に分類される感染症はどれか。 2つ選べ。

  1. 腸管出血性大腸菌感染症
  2. 中東呼吸器症候群(MERS)
  3. ジカウイルス感染症
  4. クロイツフェルト・ヤコブ病
  5. デング熱

 

 

 

 

 

解 3,5

 

問128

下図は、死因別にみた死亡率の年次推移を、1947年から 2014年まで示した結果である。各死因の死亡率の変遷の理由について正しいのはどれか。 2つ選べ。

  1. ①の死亡率の上昇には人口の高齢化は関与しない。
  2. 1995年前後に②の死亡率が急激に減少し、④の死亡率が増加したのは、国際ルールの変更により、死因の統計処理法が変わったことによる。、
  3.  
  4. ③の死亡率が 1980年代から増加してきたのは、新しい種類の③として、抗菌
    剤が効かない新興感染症が急速に増えたためである。
    4 ④の死亡率が 1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってカル
    シウムの摂取量が増えたことが主要な要因と考えられる。
    5 1950年まで死因のトップであった⑤の死亡率が激減したのは、新たな治療薬な
    どの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。

 

 

 

 

 

 

解 2,4

 

問 129

食道がんのリスク上昇との関連性が示されているのはどれか。2つ選べ。

  1. 塩・塩蔵品の過剰摂取
  2. 過度の飲酒
  3. 熱い飲食物の摂取
  4. 動物性脂肪に富む食事の摂取
  5. 運動不足

 

 

 

 

 

解  2,3

 

問130

グルタチオン抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 基質の求核性部位にグルタチオンが結合する。
  2. この反応を触媒する酵素は、グルタチオンペルオキシダーゼである。
  3. この抱合反応の後に起こるメルカプツール酸の生成には、アセチル抱合が関与する。
  4. アセトアミノフェンの代謝的活性化に関与する。
  5. 1,2-ジブロモエタンの代謝的活性化に関与する。

 

 

 

 

 

解 3,5

 

問131

染料などの工業原料に使用され、N -水酸化により代謝的活性化されて膀胱がんの原因となるのはどれか。 2つ選べ。

 

 

 

 

 

 

 

解 3, 5

 

問132

化学物質の遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. Ames試験は、化学物質の遺伝毒性を Salmonella Typhimurium変異株の復帰突然変異の出現頻度により検出する方法である。
  2. Ames試験で用いる細菌は、ヒトや動物の組織と同様の異物代謝反応を起こす変異株である。
  3. 化学物質による染色体切断後の修復の度合いを観察する試験として、特定の細菌を用いたコメットアッセイがある。
  4. ほ乳動物細胞を用いた in vitro 小核試験では、細胞分裂が阻害されて生じる小核を検出する。
  5. 遺伝毒性の有無は、Ames試験に加え、げっ歯類又はほ乳動物細胞を用いた試験を組み合せて評価される。

 

 

 

 

 

 

解  1, 5

 

問133

有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ

 

  1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。
  2. 2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。
  3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。
  4. 有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。
  5. 無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。

 

 

 

 

 

 

解 2,3

 

問134

ある農薬を様々な濃度で餌に混ぜ、ラットに2年間与え、慢性毒性を評価したところ、何らの病変も認められなかった最大の農薬濃度は 0.02%であった。以下の条件のとき、この農薬の1日許容摂取量(ADI、mg/kg 体重/日)として最も近い値はどれか。1 つ選べ。

 ラットの1日あたりの摂餌量:25g
 ラットの平均体重:250g
 ヒトの平均体重:50kg
 安全係数:100

  1. 0.01
  2. 0.2
  3. 5
  4. 20
  5. 125

 

 

 

 

 

解 2

 

 

問135

化学物質A~D及び「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。

 

  1. 化学物質A、B、Cは、いずれも第一種特定化学物質である。
  2. 化学物質Dは第一種特定化学物質であるが、特定の用途においては代替品がないので、環境汚染のおそれがない場合に限り、例外的に使用が認められている。
  3. 第二種特定化学物質は、難分解性、低蓄積性で、ヒト及び生活環境動植物への長期毒性をもつ化学物質である。
  4. 化学物質Aは油症事件で問題になった物質で、この事件は化審法制定の契機となった。
  5. 監視化学物質とは、分解性があり、蓄積性が認められなくても、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物ヘの長期毒性のおそれのある化学物質のことである。

 

 

 

 

 

解  2,4

 

問136

放射線の線量に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。

  1. 実効線量とは、物理的な測定値ではなく、放射線による発がんと遺伝的影響を評価するために用いられる線量である。
  2. 実効線量を求めるのに用いられる組織荷重係数は、肝臓が最も大きい。
  3. 等価線量を求めるのに用いられる放射線荷重係数は、α線の方が γ線より大きい。
  4. 等価線量を表す単位としてグレイ(Gy)、実効線量を表す単位としてシーベルト(Sv)が用いられる。

 

 

 

 

 

 

解 1,3

 

問137

水の浄化法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 普通沈殿-緩速ろ過は、我が国で最も利用されている浄化法である。
  2. 緩速ろ過は、水中の有機物の除去率において、急速ろ過に比べて劣る。
  3. 薬品沈殿とは、凝集剤として硫酸アルミニウムを添加することにより、負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる方法である。
  4. 急速ろ過では、主に生物化学的作用により、ろ過を行う。
  5. 緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いても、我が国の水道水では塩素剤による消毒が義務付けられている。

 

 

 

 

 

 

解 3, 5

 

問138

6種類の有機化合物を水に溶解し、生物化学的酸素要求量(BOD)(注1)及び2種類の測定法による化学的酸素要求量(COD)を求めた。下表は、この BOD とCOD を、理論的酸素要求量(注2)に対する割合(%)として示したものである。この表から考えられる記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

(注1) BOD は、試料に植種水を加え、20℃、5日間に消費された溶存酸素量(DO)の値から求めた。
(注2) 理論的酸素要求量とは、化合物 1g が酸化されて CO2及び H2Oに分解されるのに必要な酸素消費量(g)を示す。ただし、窒素化合物中のアミノ基はNH3に分解されるものとして算出した。

  1. BODと CODの間には、有機化合物の種類にかかわらず、比例関係が認められ。
  2. 酸性高温過マンガン酸法では、糖質はカルボン酸やアミノ酸に比べ、酸化されにくい。
  3. 2種類の COD の測定法のうち、二クロム酸法の方が有機化合物の種類にかかわらず、強い酸化力を示す。
  4. この実験に用いた植種水中の微生物は、6種類の化合物のうち、酢酸に対して最も高い酸素消費量(g O/g)を示す。
  5. 湖沼から採取した試料水にグリシンが大量に含まれる場合には、酸性高温過マンガン酸法による COD が、その試料水の酸素消費量を最も良く反映する。

 

 

 

 

 

 

解 3,4

 

問 139

光化学オキシダント及びその測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 光化学オキシダントの大部分はオゾンであるが、一部にペルオキシアセチルナイトレート(PAN)も含まれる。
  2. 光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局いずれにおいても低い水準となっている。
  3. 光化学オキシダントは、微量の硫酸を含む過酸化水素水を吸収液として用いる溶液導電率法により測定される。
  4. 光化学オキシダントの発生には、空気中の硫黄酸化物が関与している。
  5.  光化学オキシダントの発生量は、オゾン層の破壊により減少している。

 

 

 

 

 

 

解  1,2

 

問140

シックハウス症候群の原因物質として厚生労働省が定めた指針値があるのはど
れか。2 つ選べ。

 

 

 

 

 

 

解  3, 5

 

 

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