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免疫グロブリン(抗体)についてのポイント
抗体の構造と免疫に関する作用についてです。
特に出やすい免疫グロブリン(抗体)のクラスは、「IgG」「IgM」「IgA」「IgE」の3つです。
IgEは、アレルギーや薬理との混合問題が多く、IgDは、過去1回(102回 問15)のみ出題されています。
抗体の構造
- 4本のポリペプチド鎖(H鎖2本、L鎖2本)で構成されます。
- H鎖定常部の違いにより5つのクラス(IgG, IgM, IgA, IgE, IgD)に分けられます。
「免疫に関する作用」
以下は、抗体の種類の免疫に関する作用となっています。
抗体の種類 | 作用 |
IgG |
|
IgM |
|
IgA |
|
IgE |
|
IgD | (作用はありますが、試験的には無視していいと思います。) |
過去5年間の出題傾向
104回 | 問224 |
103回 | |
102回 | 問15 |
101回 | 問219 |
100回 | 問119 |
過去問を解いてみよう!
104回 問224−225
7歳女児。卵アレルギーがある。小学校で給食を食べた直後、女児が異常を訴えた。ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)、皮膚の赤み、唇とまぶたの赤みを担任教諭が確認し、アドレナリン注射液(エピペン®注射液)を投与して、その後の適切な対応により改善した。この女児が引越しに伴い転校することになり、転校先の学校に母親より女児の受け入れ後の対応について相談があった。
104回 問224
この女児の症状を引き起こした生体内反応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 卵由来のアレルゲンと結合した細胞外マトリックス成分に対する抗体(IgG)により、抗体依存性細胞障害が起きた。
- 卵由来のアレルゲンに対する抗体(IgG やIgM)が免疫複合体を形成して組織に沈着し、補体を活性化した。
- 肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。
- 卵由来のアレルゲンを認識したT 細胞が炎症性サイトカインを放出し、マクロファージを活性化した。
- 卵由来のアレルゲンと結合した抗体により、NK 細胞が活性化した
解 3
103回 問61
アレルギー性鼻炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 鼻粘膜のⅡ型アレルギー性疾患である。
- IgE抗体が関与している。
- ハウスダストやダニは季節性アレルギー性鼻炎の原因である。
- 花粉症の原因としてヒノキ花粉が最も多い。
- アレルゲン免疫療法は即効性がある。
解 2
102回 問15
初回の免疫により最も早期に分泌される抗体のクラスはどれか。1つ選べ。
- IgA
- IgD
- IgE
- IgG
- IgM
解 5
100回 問119
下図は、ある抗原をマウスに投与したときの血液中の抗体価を調べた実験結果である。実験では、同一の抗原を矢印?及び?で示す時期に投与した。曲線A及び Bは、それぞれIgGあるいはIgMのいずれかの測定値である。これに関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 曲線AはIgG、曲線BはIgMの測定値をそれぞれ示している。
- 曲線Bの30日目以降に認められる抗体価の急激な上昇には、記憶細胞の形成が関与する。
- (2)の抗原投与の後、曲線Bのように急激に抗体価が上昇する現象は、自然免疫の特徴である。
- (2)の抗原投与の後、曲線Aに比べ曲線Bがより顕著に上昇する現象には、抗体のクラススイッチが関与する。
解 2, 4