◎法規・制度・倫理 ◎実務 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【法規・制度・倫理/実務】薬学実践問題 問306-315



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第104回【法規・制度・倫理/実務】薬学実践問題 問306-315

問306-307

82 歳男性。在宅で療養しており、てんかんのため処方 1 の薬剤を服用していたが、今回、処方 2 が追加となった。この患者は独居であり、薬剤師も参加して多職種による定期的なケアカンファレンスを行っている。

 

問306

これらの処方に関連した副作用の ₁ つとして、スティーヴンス・ジョンソン症候群がある。薬剤師がケアカンファレンスで、他職種に確認して欲しいと伝えるべき初期症状の中で、緊急性が最も低いのはどれか。1つ選べ。

  1. のどの痛み
  2. 排尿・排便時の痛み
  3. 38 ℃以上の発熱
  4. 唇のただれ
  5. 筋肉のこわばり

 

 

 

 

 

解   5

 

問307

処方 2 の副作用である重篤な皮膚障害については、因果関係が否定できない死亡症例が短期間に複数報告されたことから、注意喚起がなされた。このような安全性情報を迅速に周知するために用いられる手段として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 安全性速報(ブルーレター)
  2. 医薬品インタビューフォーム
  3. 医薬品リスク管理計画(RMP)
  4. 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDA メディナビ)
  5. 定期的ベネフィット・リスク評価報告(PBRER)

 

 

 

 

 

解    1, 4

 

問308-309

58 歳男性。入院中にヘリコバクター・ピロリの一次除菌を行うことになった。現在処方されている薬剤があり、除菌時の治療薬の選択について医師から薬剤師に問合せがあった。処方は、以下の薬剤を考えているとのことであった。なお、この病院では Diagnosis Procedure Combination(DPC;診断群分類)制度に基づいて、入院患者の診療報酬を請求している。

 

薬局を訪れた患者は次のように薬剤師に話した。
「社会人になってからは仕事が忙しく、生活が不規則です。最近、頭痛の回数が多くなって、薬が足りなくなることがよくあります。仕事の都合上、発作が起こると困るときには、予防のため発作時の薬(処方 1 )を服用しています。今回、新しい薬(処方 3 )が追加されました。」

 

アモキシシリン水和物
クラリスロマイシン

<現在の処方薬>
クロピドグレル硫酸塩
プラバスタチンナトリウム
カルベジロール

 

問308

現在の処方薬を考慮して、薬剤師が薬物Aとして推奨するのに適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. オメプラゾール
  2. ファモチジン
  3. ポラプレジンク
  4. ラベプラゾールナトリウム
  5. ランソプラゾール

 

 

 

 

 

解  4, 5

 

問309

DPC 制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 傷病名と診療行為に基づいて包括払い金額が決まる仕組みである。
  2. 入院中に使用する薬剤は、出来高払いで請求する。
  3. 手術・麻酔の費用は、出来高払いで請求する。
  4. 入院期間が長くなっても、包括払い金額は同じである。
  5. 全ての病院が、この制度を利用している。

 

 

 

 

 

解  1, 3

 

問310-311

58 歳男性。肺がん、ステージⅣ。強い疼痛を訴えていたため、アセトアミノフェン錠とフェンタニル経皮吸収型貼付剤が投与されていた。患者の希望で緩和ケア病棟に 1 週間前に入院となった。腎機能は、直近のデータで Ccr 20 mL/minである。入院後、疼痛コントロールが不良になったため、フェンタニル経皮吸収型貼付剤の増量が行われたが、痛みに対する効果が改善されなかった。

 

問310

この患者の担当薬剤師が医師に処方提案する内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. オキシコドン徐放錠への変更
  2. コデインリン酸塩散への変更
  3. プレガバリン口腔内崩壊錠への変更
  4. モルヒネ硫酸塩徐放錠への変更
  5. モルヒネ塩酸塩坐薬への変更

 

 

 

 

 

解    1

 

問311

薬剤師が病室を出ようとしたところ、患者が「もう早く死んでしまいたい。家族にも迷惑をかけるし、何とかしてください。」と涙ながらに訴えた。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 「そんなことを言わずに頑張ってください!」と激励する。
  2. 言われたことは誰にも伝えず、自分の心の中にしまっておく。
  3. 患者の訴えを医療スタッフと共有する。
  4. 突然の訴えに驚き、病室から立ち去る。
  5. 患者の話を共感しながら傾聴する。

 

 

 

 

 

解     3, 5

 

問312-313

32 歳女性。難治性の多発性骨髄腫のため、治療を目的に入院してサリドマイド製剤を服用する予定である。サリドマイドは、過去に薬害を引き起こした薬物である。

 

問312

病棟でのサリドマイド製剤の取扱いについて誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)を遵守する。
  2. 製薬会社に登録した医師のみが処方する。
  3. 入院中、本剤は患者の自己管理とする。
  4. 本剤の服用開始 4 週間前から本剤服用中止 4 週間後までは、妊娠を避けさせる。
  5. 本剤の管理上の責任を担う薬剤師を、製薬会社に登録する。

 

 

 

 

 

解     3

 

問313

医薬品の安全対策の充実には、幾つかの薬害が関わっている。サリドマイドが引き起こした薬害が契機となって整備された制度として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 副作用報告制度
  2. 再審査制度
  3. 医薬品リスク管理計画制度
  4. 感染症定期報告制度
  5. 市販直後調査制度

 

 

 

 

 

解     1

 

問314-315

58 歳男性。健康診断で血圧が高いことを指摘されて近医を受診し、下記の薬剤が処方された。日常的に車を使用し、ほとんど運動の習慣はない。また、長年の喫煙習慣があり、塩辛いものを好む。服薬指導時に「特に気になる症状もないし、副作用が怖いので、薬は飲まないでおこうと思っている。」と薬剤師に話をしていた。BMI は 32、診察室血圧は 156/101 mmHg、家庭血圧は 152/96 mmHg であった。

 

問314

この患者に対する服薬指導を行う際に、薬剤師が知っておくべきこととして正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 高血圧の診断には、診察室血圧に加え、家庭血圧を測定することが重要だが、両者の値が異なる場合は診察室血圧を優先する。
  2. 禁煙は精神的ストレスの原因になるので、高血圧患者に対する禁煙指導は避けた方が良い。
  3. 降圧薬の服用により血圧がうまくコントロールできた場合、生活習慣の改善は必要ない。
  4. 降圧目標は、年齢や合併症の有無に応じて決められる。
  5. 減塩目標は、食塩 10 g/日未満である。

 

 

 

 

 

解     4

 

問315

この患者は、「薬を飲まないでおこうと思っている。」という発言からも、行動変容ステージの無関心期(前熟考期)にいると考えられる。この患者を関心期(熟考期)へと促していく働きかけとして適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 患者の反応にかかわらず一方的に服薬指導や生活指導を行う。
  2. 健康行動の必要性や有効性について情報を提供する。
  3. 患者に健康行動実施の宣言をしてもらう。
  4. 患者の服薬に対する考えや感情(解釈モデル)を聞く。
  5. 主治医に連絡し、患者を説得してもらう。

 

 

 

 

 

解     2, 4

 

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