スポンサーリンク
第104回 問268-275
問268-269
60 歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方 1 による薬物治療を行っている。本日、処方 2 が追加された。
検査値
血圧 126/76 mmHg、血清クレアチニン値 0.9 mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP 値)、LDL−C 98 mg/dL、HDL−C 62 mg/dL、TG(トリグリセリド)220 mg/dL
問268
処方 ₂ を追加した主目的として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- LDL−C の低下
- HDL−C の上昇
- TG の低下
- 血圧の低下
- HbA1c の低下
解 3
問269
イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 服薬タイミングをずらすことで、イコサペント酸エチルによるピタバスタチンの肝取り込み阻害を回避するため。
- 服薬タイミングをずらすことで、ロサルタンとイコサペント酸エチルの複合体形成を回避するため。
- 食事によって胃内容排出速度を低下させることで、イコサペント酸エチルの急激な血中濃度の上昇を避けるため。
- 食事によって胃酸分泌が亢進し、イコサペント酸エチルの溶解度が増加するため。
- 食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進するため。
解 5
問270-271
60 歳男性。高血圧の治療のため、内科から以下の薬剤が処方され服用していた。最近、薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。
問270
薬剤師がこの患者に聞き取りを行ったところ、最近、夜にグレープフルーツジュースを飲むようになったとのことであった。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 今晩からグレープフルーツジュースの摂取を中止するように指導した。
- 明日からは、ニソルジピンの服用は中止するように指導した。
- 患者がグレープフルーツジュースを飲んでいることを医師に伝え、患者には受診するように指導した。
- 医師に、べニジピン塩酸塩錠への変更を提案した。
解 1, 3
問271
この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とニソルジピンの相互作用について、発現機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。
- 小腸 CYP3A4 に対する競合阻害
- 小腸 CYP3A4 に対する共有結合による不可逆的阻害
- 肝臓 CYP3A4 に対する競合阻害
- 核内受容体を介した小腸 CYP3A4 の誘導
- 小腸 P−糖タンパク質に対する競合阻害
解 2
問272-273
36 歳男性。10 年前に双極性障害の診断を受け、処方 ₁ による治療を行っている。
2 日前より下痢や嘔吐が出現し、今朝、ふらつきと発語困難を生じたため、緊急搬送された。リチウムの血清中濃度は、2.2 mEq/L(血中濃度 1.8 mEq/L に相当)と測定された。薬剤師が残薬を確認したところ、指示どおりの服薬状況であった。
問272
この患者への対応において、薬剤師が行うべき提案のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 球形吸着炭の投与
- D−マンニトール注射液の投与
- 補液の投与
- アセチルシステイン内用液の投与
- 炭酸リチウム錠の投与
解 2, 3
問273
緊急搬送時でのこの患者におけるリチウムの全身クリアランス(L/hr)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、計算には血中濃度を用い、測定したリチウム濃度は定常状態における平均濃度であるものとする。また、リチウムのバイオアベイラビリティは 100%とし、炭酸リチウム(Li2CO3)の分子量は 73.9 である。
- 0.19
- 0.38
- 1.8
- 4.5
- 9.0
解 2
問274-275
70 歳男性。切除不能な胃がんの治療のため、S−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)/シスプラチン療法を施行している。数日前から右下肢に痙れん様のふるえが認められている。精密検査の結果、左脳にがん転移が認められ、緊急入院となった。痙れん発作の予防としてフェニトインの服用を開始した。
問274
薬剤師が本患者のがん治療においてモニタリングをすべき項目として、最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。
- テガフールの累積投与量
- フェニトインの血中濃度の上昇
- S−1/シスプラチンによる骨髄抑制
- S−1/シスプラチンによる嘔吐
- シスプラチンによる腎毒性
解 1
問275
同一処方でさらに 1 週間継続服用したところ、せん妄様症状が認められ、その時のフェニトイン血中濃度は 50 ng/mL であった。この患者の定常状態におけるフェニトインの平均血中濃度を 16 ng/mL としたい。 ₁ 日あたりの投与量(mg)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、測定したフェニトイン濃度は定常状態における平均血中濃度であるものとし、フェニトインの体内からの消失速度は Michaelis−Menten 式で表され、Michaelis 定数を 4 ng/mL、バイオアベイラビリティを 100%とする。なお、S−1/シスプラチン療法は今後も同じ用法・用量で継続するものとする。
- 100
- 140
- 180
- 220
- 260
解 5
次の問題(問276-285)へ 第104回 過去問一覧 目次へ