◎物理 ◎化学 ◎生物 ◎衛生 ◎実務 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【物理・化学・生物・衛生/実務】薬学実践問題 問236-245



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第103回 問236-245

問236-2

55 歳男性。身長 160 cm。体重 70 kg。会社の事務職をしており、日頃運動不足である。会社の定期健康診断で、HbA1c 値が基準値よりやや高いと指摘され、生活習慣について相談するため、薬局を訪れた。

 

問236

生活習慣の改善と目標に関する薬剤師の説明として適切でないのはどれか。2つ選べ。

  1. HbA1c 値は、過去 3 ~ 4 ヶ月の血糖値の平均値を反映する。
  2. 糖尿病の発症初期にはほとんど自覚症状がない場合が多い。
  3. 1 回 30 分程度の歩行を毎日 2 回以上行うことを目標にする。
  4. 水中歩行は、膝などの関節への負担も少なく、血糖値のコントロールに有効である。
  5. 食事療法では、糖質の摂取量に注意すれば、他の栄養素の摂取は特に注意する必要はない。

 

 

 

 

 

 

解   1,5

 

問237

生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 腹囲が基準値を超え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の 3 つすべてが当てはまったときにのみ、メタボリックシンドロームと判定される。
  2. LDL︲C(低密度リポタンパク質コレステロール)、HDL︲C(高密度リポタンパク質コレステロール)、中性脂肪の血中濃度が、いずれも基準値より高いと、脂質異常症と判定される。
  3. 現在、我が国の糖尿病患者のうち、90%以上は 2 型糖尿病である。
  4. 糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターとなる。
  5. 血糖値をコントロールすることにより、腎症、網膜症、神経障害などの合併症を予防することは、糖尿病の二次予防にあたる。

 

 

 

 

 

解    3,4

 

問238-239

40 歳女性。身長 156 cm。体重 65 kg。会社を経営し、ストレスを感じている。食生活も不規則で、運動もほとんどしない。最近、急に便秘がひどくなり、お腹が張るようになった。両親とも大腸がんで亡くなっていることから心配になり、相談のため薬局を訪れた。

 

問238

大腸がんの検査について薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 年齢を考慮すると定期的な検査が必要です。
  2. 大腸がんの検査では、通常、まず遺伝子診断が行われます。
  3. 早期の大腸がんは症状がなく、早期発見には便潜血検査が有効です。
  4. 大腸内視鏡検査では、結腸は調べられますが、直腸は調べられません。
  5. 大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(α - フェトプロテイン)を調べます。

 

 

 

 

 

解   1,3

 

問239

大腸がんの発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 親や兄弟などに大腸がんの人がいる場合、発症リスクが高い。
  2. 肥満は、発症リスクを上げる。
  3. ベーコンなどの加工肉の摂取は、発症リスクを下げる。
  4. 魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、発症リスクを上げる。
  5. 運動習慣の有無は、発症リスクに影響しない。

 

 

 

 

 

 

解    1,2

 

問240-241

74 歳男性。認知症。最近、異食をすることがあるため家族は気をつけていたが、一時間ほど目を離した際にエチレングリコール入り保冷剤を飲み込み、嘔気、頭痛、めまいを訴えたため、救急搬送された。

 

問240

担当医師より、解毒薬のホメピゾール(4-メチルピラゾール)がないか薬剤部に問い合わせがあったが、在庫がなかった。代わりに医師に提案するものとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. エタノール
  2. プラリドキシムヨウ化物
  3. チオ硫酸ナトリウム
  4. 亜硝酸ナトリウム
  5. ホリナートカルシウム

 

 

 

 

 

解  1

 

問241

エチレングリコールの摂取により、尿細管に不溶性の塩が析出し腎障害が起こることがある。この不溶性の塩を形成するエチレングリコールの代謝物はどれか。1つ選べ。

  1. シュウ酸
  2. 酢酸
  3. 尿酸
  4. アセトアルデヒド
  5. グリセロール

 

 

 

 

 

解  1

 

問242-243

梅雨の時期、雨の降る日が多かったため、学校薬剤師が小学校の屋外プール水について水質検査を実施することにした。

 

問242

過マンガン酸カリウム消費量を以下の操作により測定した。この測定から求められる過マンガン酸カリウム消費量(mg/L)の値に最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、過マンガン酸カリウム溶液とシュウ酸ナトリウム溶液のファクターを1.0、KMnO4 の式量を 158 とする。

【操作】 
検水 100 mL をとり、これに過マンガン酸カリウム処理硫酸溶液 5.0 mL を加え、さらに 0.0020 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液 10 mL を正確に加えた。 5 分間煮沸した後、ただちに 0.0050 mol/L シュウ酸ナトリウム溶液 10 mL を加えて脱色させ、さらに 0.0020 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液で微紅色が消えずに残るまで滴定したところ、3.2 mL を要した。

 

  1. 1.0
  2. 3.0
  3. 10
  4. 30
  5. 100

 

 

 

 

 

 

解  3

 

問243

過マンガン酸カリウム消費量に加え、学校薬剤師が行うプール水における水質検査項目はどれか。2つ選べ。

  1. 生物化学的酸素要求量(BOD)
  2. 結合残留塩素
  3. 遊離残留塩素
  4. pH 値
  5. アンモニア

 

 

 

 

 

 

解  3,4

 

問244-245

病院のスタッフステーションで、感染性廃棄物用の容器の近くの床に注射針が落ちていた。これを拾おうとした医療従事者が誤って指に針を刺してしまった。この病棟には、HIV、B 型肝炎ウイルス又は C 型肝炎ウイルスに感染した患者が入院しているが、指に刺してしまった針が、いずれの患者に使用されたものかは不明であった。事故後、直ちに、この医療従事者の血液検査を行った。

 

問244

針を刺してしまった医療従事者への対処として、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 傷口を流水で洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による消毒を行う。
  2. HBs 抗原が陽性もしくは HBs 抗体が陽性の場合には、B 型肝炎への新たな感染の可能性はないため、B 型肝炎に対する処置の必要はない。
  3. HBs 抗体を獲得していない場合には、事故発生後直ちに抗 HBs ヒト免疫グロブリンを投与する。
  4. 抗 HIV 薬の投与を直ちに開始することがある。
  5. 事故後 2 週間まで、抗 HIV 抗体の検査を継続する。

 

 

 

 

 

 

解      1,5

 

問245

感染性廃棄物に該当しないのはどれか。1つ選べ。

  1. 全血製剤等の外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤が残存する容器
  2. 病理診断に使用したホルマリン漬臓器
  3. 血液が付着していない使用済み注射針
  4. インフルエンザ(「鳥インフルエンザおよび新型インフルエンザ等感染症」を除く)の患者が使用した、血液が付着していない紙おむつ
  5. 結核患者の治療、検査などに使用された後、排出された手袋

 

 

 

 

 

 

解    4

 

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