◎法規・制度・倫理 ◎実務 第103回

薬剤師国家試験 過去問 第103回【法規/実務】薬学実践問題 問326-335



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第103回 問326-335

問326

50歳男性。28歳の時に胃の全摘出手術を受け、術後5年間は定期的に検査を受けていたが、それ以降は通院していなかった。

数週間前より疲れやすくなり、食欲も減退したことから、クリニックを受診した。受診時には皮膚蒼白であった。

血液検査の結果は以下の通りであった。

白血球数 6,500/μL、Hb 7.9g/dL、血小板数 20×104/μL、MCV 140fL、MCH 45pg、血清鉄 165μg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L

この患者に欠乏していると考えられる栄養素として適切なのはどれか。1つ選べ。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB2
  3. ビタミンB6
  4. ビタミンB12
  5. ビタミンD

 

 

 

 

 

解   4

 

問327

26歳男性。1日数回の下痢を繰り返し、また、血便が出ていたので近医を受診した。

検査の結果、潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジン錠を用いた治療を開始した。

2年後、出血性下痢の増加と腹痛を認めるようになり、薬物はメサラジン錠とプレドニゾロン錠の併用に変更になった。

この患者の病態と薬学的管理について適切でないのはどれか。2選べ。

  1. 服用困難な場合には、メサラジン錠を粉砕する。
  2. 感染症にかかりやすい。
  3. メサラジンの副作用として、消化器症状に気をつける。
  4. 定期的に大腸癌の検査を受ける。
  5. メサラジン錠服用により、潰瘍性大腸炎の完治が期待できる。

 

 

 

 

 

解     1,5

 

問328

8歳男児。湿疹により皮膚科を受診した。母親が処方箋を持って薬局を訪れた。

 

(処方)
レボセチリジン塩酸塩錠5mg 1回0.5錠(1日1錠) 1日2回 朝食後・就寝前 7日分

 

母親からの聞き取りで錠剤が飲めないことが判明したため、処方医に疑義照会してレボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%への処方変更を提案した。

提案した処方薬の1回量及び全量として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

  1. 1回量2.5mL  全量35mL
  2. 1回量2.5mL  全量70mL
  3. 1回量5mL   全量35mL
  4. 1回量5mL   全霊70mL
  5. 1回量10mL   全量35mL
  6. 1回量10mL   全量70mL

 

 

 

 

 

解     4

 

問329

58歳男性。CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法による治療が行われることになり、薬剤師は以下の処方を確認した。

1コース期間:3週間

総コース数:68コース

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mg 1錠 及び イブプロフェン錠200mg 1錠を服用する。 

担当医師に提案すべき内容として、適切なのはどれか。2選べ。

  1. リツキシマブの点滴速度は少しずつ上げていく。
  2. グラニセトロンは、リツキシマブの後に投与する。
  3. ドキソルビシン塩酸塩の点滴速度は少しずつ上げていく。
  4. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩とイブプロフェンは、リツキシマブの投与開始 30 分前に投与する。

 

 

 

 

 

解    1,4

 

問330

腎機能不全に対する配慮が必要な患者に高カロリー輸液の調製を行う際、ブドウ糖含有率50%の基本輸液500mL、脂肪乳剤(ダイズ油20%)100mL、高カロリー輸液用微量元素製剤(2mL)、総合ビタミン剤(5mL)を準備した。

この組成に加える総窒素量8.1mg/mLの総合アミノ酸輸液の量として最も近いのはどれか。1つ選べ。

ただし、NPC/N比を400、脂肪乳剤(ダイズ油20%)100mLに含まれる熱量を200kcalとする。

  1. 100mL
  2. 400mL
  3. 800mL
  4. 1,000mL
  5. 1,500mL

 

 

 

 

 

解   2

 

問331

細菌、真菌、ウイルス感染の拡大防止に用いるため、次亜塩素酸ナトリウム濃度6%の消毒薬を購入した。

0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウム消毒液1Lを調製する方法として正しいのはどれか。1つ選べ。

 

  1. 消毒薬の原液100mLに水を加え全量を1Lとし、この液100mLを採取し、これに水を加えて全量1Lとする。
  2. 消毒薬の原液5mLに水を加え全量を150mLとし、この液100mLを採取し、これに水を加えて全量1Lとする。
  3. 消毒薬の原液10mLに水を加え全量を500mLとし、この液100mLを採取し、これに水を加えて全量1Lとする。
  4. 消毒薬の原液50mLに水を加え全量を500mLとし、この液10mLを採取し、これに水を加えて全量1Lとする。
  5. 消毒薬の原液10mLに水を加え全量を1.5Lとし、この液50mLを採取し、これに水を加えて全量1Lとする。

 

 

 

 

 

解  2

 

問332

注射液A(pH3.42mL/アンプル)、注射液B(pH8.62mL/アンプル)及び注射液C(pH9.110mL/アンプル)をシリンジ内で混合する。

薬剤師は各注射液のpH変動スケール(上図)に基づいて薬剤の調製を検討した。

混合の可否及び順序として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. どの順序でも白濁するので混合できない。
  2. ABを混合した後、Cを混合する。
  3. ACを混合した後、Bを混合する。
  4. BCを混合した後、Aを混合する。
  5. どの順序でも混合できる。

 

 

 

 

 

解   4

 

問333

52歳男性。腰痛のためロキソプロフェンNaを服用している。全身倦怠感が続いたため受診した。

検査の結果、薬物の長期服用による慢性肝疾患が疑われ入院した。

肝機能に関する検査値は以下の通りである。ただし、( )内は正常上限値とする。

AST 1,260IU/L(35)、ALT 1,330IU/L(35)、ALP 264IU/L(330)、T-Bil 0.9mg/dL(1.0)、γ-GTP 40IU/L(50)

薬物性肝障害の種類は以下のように分類される。

 

この患者の治療に推奨する薬物はどれか。2選べ。

 

  1. タウリン
  2. ウルソデオキシコール酸
  3. グリチルリチン酸
  4. ソホスブビル
  5. リバビリン

 

 

 

 

 

解  2,3

 

問334

74歳男性。4年前に前立腺癌StageⅢとの診断により内分泌療法が開始された。

今回、内分泌療法抵抗性となったため、「ドセタキセル75mg/m2、1日1回、1時聞かけて点滴投与、3週間毎」を開始した。

化学療法施行中、患者から「注射している所がひりひりして痛い」との訴えがあった。

薬剤師が確認したところ、左前腕の点滴ルート刺入部位に腫脹を認め、薬液が皮下に漏出していた。

連絡を受けた医師が直ちに点滴の注入を止めた。

この患者に対する対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 留置針に残った薬液をシリンジで回収する。
  2. 左前腕を胸より高い位置にあげる。
  3. 漏出部位を温める。
  4. 左前腕の漏出部位以外から点滴を再開する。

 

 

 

 

 

解      1,2

 

問335

我が国において健康被害をもたらし社会問題となった薬物とその症状又は疾病の組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

 

解     2

 

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