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第103回 問306-315
問306-307
69歳女性。皮膚科を受診し、四肢の皮膚湿疹に対して以下の処方箋を持ち、初めてこの薬局を訪れた。
薬剤師が薬を取りそろえる前にお薬手帳で併用薬を確認したところ、女性はラタノプロスト点眼液を処方されていた。
なお、副作用歴やアレルギー歴は無いとのことであった。女性は今回の処方薬を初めて使用する。
(処方1)
ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 5日分
(処方2)
エピナスチン塩酸塩錠20mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 夕食後 14日分
(処方3)
ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏0.12% 5g 1回適量 1日2回 朝夕 四肢の患部に塗布
問306
処方監査に基づく疑義照会について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 処方に誤りがあり、疑義があったにもかかわらず、薬剤師が疑義照会をせず、そのため患者に健康被害が発生した場合、処方医が損害賠償責任を負うが、薬剤師は負わない。
- 疑義照会は、処方医でなくても医師に行えばよい。
- 処方箋中に法令に定められた事項が記載されていない場合には、疑義照会を行わなければならない。
- 患者がお薬手帳を持参しない場合には、併用薬はないものとして疑義の有無を判断する。
- 疑義照会による医師からの回答の内容は処方箋に記入しなければならない。
解 3, 5
問307
これらの処方の疑義照会において、変更を提案すべき処方はどれか。1つ選べ。
- 処方1
- 処方2
- 処方3
- 処方1と処方2
- 処方1と処方3
- 処方2と処方3
解 1
問308-309
薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(以下「体制省令」という。)には、薬局において調剤の業務に係る医療の安全を確保するために必要な措置として、従業者に対する研修が定められている。
この研修として、薬局の過去のヒヤリ・ハット事例報告を薬剤師全員で確認し、以下の事例を検討した。
(処方)
ノルバデックス錠10mg 1回2錠(1日2錠) 1日1回 朝食後 14日分
この処方に対してノルバスク錠10mg 1回2錠(1日2錠) 14日分を調剤した。
薬剤交付時に患者に「高血圧の薬」であることを説明した際、患者が間違いに気づいた。
ノルバデックス錠:成分名 タモキシフェンクエン酸塩
ノルバスク錠:成分名 アムロジピンベシル酸塩
問308
この事例から取り間違いの再発を防止する方法として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- 処方箋記載の医薬品名を声出し確認するとともに、錠剤棚の貼付ラベルの医薬品名も声出し確認する。
- 取り間違いをした薬剤師はその作業から外す。
- 錠剤棚に「類似名称医薬品有り」の注意喚起のシールを貼る。
- 類似名称医薬品の薬品棚の配置を見直す。
- 類似名称医薬品の組合せ表を作成してスタッフに周知する。
解 2
問309
研修のほか、体制省令に定められている調剤の業務に係る医療の安全を確保するために必要な措置に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 医薬品の安全使用のための責任者の設置
- 医薬品の安全使用等の業務に関する手順書の作成
- 調剤の業務に係る医療の安全を確保するための指針の策定
- 従事者から薬局開設者への事故報告体制の整備
- 調剤過誤に関する懲罰の設定
解 5
問310-311
75歳男性。パーキンソン病が進行し、レボドパ製剤に加えてセレギリン塩酸塩錠が併用されることとなった。
この医療機関では、併用することとなったセレギリン塩酸塩錠は初めての採用である。
薬剤師は、この患者に対して非運動症状(うつ症状、頻尿、便秘、睡眠障害など)の改善のために同時に処方される可能性がある薬剤の併用の可否及び薬剤の取扱いについて確認した。
問310
次の薬剤のうち、この男性に併用できないのはどれか。2つ選べ。
- アミトリプチリン塩酸塩
- フラボキサート塩酸塩
- ピコスルファートナトリウム
- フルボキサミンマレイン酸塩
- トリアゾラム
解 1,4
問311
セレギリン塩酸塩錠の取扱いとして正しいのはどれか。2つ選べ。
- 厚生労働大臣の指定を受けた向精神薬卸売業者から購入する必要がある。
- かぎをかけた場所に保管しなければならない。
- 麻薬を保管している金庫に保管してもよい。
- 廃棄したときは、30日以内に都道府県知事に届け出なければならない。
- 盗難や紛失があったときには、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。
解 2, 5
問312-313
76歳男性。脳梗塞の既往と高血圧、脂質異常症(高脂血症)、不眠、便秘のため、以下の処方により治療を継続中である。
薬局での服薬指導時に、患者から最近便が黒っぽいとの訴えがあった。
薬剤師が主治医に連絡したところ、精密検査により大腸がんが見つかり、3ヶ月後に切除手術を受けることになった。
(処方1)
アムロジピンベシル酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 30日分
(処方2)
イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg 1回1包(1日2包) 1日2回 朝夕食直後 30日分
(処方3)
シロスタゾール錠100mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 30日分
(処方4)
ゾピクロン錠10mg 1回1錠 不眠時 10回分(10錠)
(処方5)
センナエキス錠80mg 1回2錠 便秘時 10回分(20錠)
問312
入院手術前に医師と協議の上、この薬剤師が薬学的管理をすることになった。
上記の処方の中で、休薬の必要性が高いのはどれか。2つ選べ。
- 処方1
- 処方2
- 処方3
- 処方4
- 処方5
解 2,3
問313
その後、手術では患部を取りきれず、退院時の見込みでは、日常生活を送る上で介護を要するであろうとのことであった。
介護保険制度に照らした当該患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 第2号被保険者である。
- 要介護認定を受けた場合に介護サービスが受けられる。
- 要介護認定は都道府県が行う。
- 要介護認定は疾病の重症度が判定基準とされる。
- 保険料は医療保険者が徴収し社会保険診療報酬支払基金に納付する。
解 2
問314-315
保険料は医療保険者が徴収し社会保険診療報酬支払基金に納付する。
(処方1)
グリメピリド錠1mg 1回1錠(1日1錠) 朝食後 14日分
(処方2)
ボグリボース錠0.2mg 1回1錠(1日3錠) 1日3回 朝昼夕食直前 14日分
(処方3)
アトルバスタチン錠5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 夕食後 14日分
問314
薬剤師は処方医に疑義照会を行い、対応策を提案することにした。
この患者の特性に合わせた対応策として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 一包化
- 錠剤の粉砕
- 処方薬剤数の削減
- 口腔内崩壊錠への変更
- 服用回数の削減
解 2,4
問315
この調剤を行った保険薬局は、健康保険制度に基づいて調剤報酬を請求できる。
次の図は、一般的な調剤報酬の請求、審査、支払いの仕組みであり、①から⑤までは、次の用語のいずれかが当てはまる。
・一部負担金等の支払い
・審査済の請求書送付
・調剤報酬の支払い
・調剤報酬の請求
・保険料の支払い
この図において、「調剤報酬の請求」はどれか。1つ選べ。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
解 3
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