衛生・薬理・病態・薬物治療などは、暗記領域です。
点数は、勉強時間に比例して必ずアップしていきます。
特に応用問題が出しにくい衛生は、誰でも時間をかければかけるだけ点数が伸びていきます。
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ここから押さえよう!【衛生】頻出領域BEST5
それでは、ここで紹介したポイントを押さえて効率的に勉強していきましょう。
そうすることで、苦手な領域に時間を割くことができます。
それでは衛生の頻出領域に「傾向」と「対策」について説明します。
頻出領域① 食品添加物
理論問題・実践問題での出題は多くないですが、必須問題で出題されやすい領域です。
出題側としてはなかなか応用させにくい領域ですが、逆に基礎問題は作成しやすい領域といえるでしょう。
特に厄介なのは101回(2016年)の問18のような構造式を問う問題です。
特徴を覚えておけば意外と解けるのですが、最初から構造式まで覚えようとするのではなく、
「金属封入剤はキレートを形成することで金属を捕まえる。キレートは、金属を囲む様な構造(手のような)を持つ」
「酸化防止剤のなかでもBHA、BHT、トコフェロールなどは、ベンゼン-OH(フェノール環)の構造を持つことで水素を与えて酸化を防ぐ」
などと覚えておきましょう。
衛生は暗記ばかりになるので記憶力が不安な方は、まずは1つの用語から3つのキーワードを覚えるように意識する!!
このテクニックは、どの領域でも使えると思うのでぜひ参考にしてください。
具体的に説明します。
まずは、ざっと目を通しておいて1つの用語から大事そうな3つの関連ワードを選んでください。
どれも大事に感じると思いますが、「過去問でよく出ている」、「参考書で赤字にしてある」などを参考にし、関連ワードを3つだけ選んでください。
その3つを覚えておいて、記憶が定着すればその次に大事なものを覚えておくようにすればいいのです。
3つに絞るということが少しポイントです。
最も大事な単語を選ぼうとするために、どこが最も大事であるのかを探します。そうすることによって自然と国家試験の傾向をつかむことが出来るのです。
例えば、
- 防カビ剤は①ジフェニル、②オルトフエニルフエノ―ル、③チアべンダゾ一ル
- 酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)は、①BHA、②BHT、③dl-α-トコフエロール
などとまずは絞って覚えてみてください。
傾向:応用問題・実践問題の難易度は変わらず
対策:まずは、1用語3つの関連ワードから覚えてみる
頻出領域② 食中毒
食中毒に関しては、必須・理論・実践問題の全てで問題が作りやすい領域です。
特に以下の2問のような「1問目で問題文から中毒を特定」、「2問目で対処法・予防法を問う」などの形式の問題が出しやすいでしょう。
そして、どの複合問題もそうですが1問目を間違えると2問目も間違えてしまいます。
①症状と②感染源を意識したうえで選択肢を消して問題を解いていくと正答率が上がると思います。
【過去問】97回 問228-229
40歳男性。8月3日の早朝、下痢、腹痛、嘔吐と発熱を訴えて救急外来を受診した。医師が問診したところ、前夜に友人5人とイカ釣りに出かけ、船上で釣ったイカをイカそうめん(細切りの刺身)にして食べたとのことであった。友人5人も同様の症状を訴えているという。医師は食中毒と診断し、便の検査をオーダーするとともに、薬剤師に治療薬についての処方提案を求めた。
問228
この症例において、食中毒の原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
1 サルモネラ属菌
2 ノロウイルス
3 アニサキス
4 腸炎ビブリオ
5 ウェルシュ菌
問229
この患者の初期の治療に最も適した薬剤はどれか。1つ選べ。
1 セフェム系抗菌薬
2 電解質輸液
3 止瀉薬
4 解熱鎮痛薬
5 鎮痙薬
解
問228 4
問229 2
【過去問】99回 問236-237
10月のある夕方、薬局を男性が訪れた。その日、友人から初物のカキ(牡蛎)をもらったため昼に友人や家族と自宅の居間で、生ガキと炭火で焼きながら焼ガキを食したとのこと。
全員が頭痛、嘔吐及びめまいを起こしたが別室に移って休んだところ、少し落ち着いたとのことであった。
問236
これらの症状を引き起こした原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
1 腸炎ビブリオ
2 ノロウイルス
3 腸管出血性大腸菌
4 二酸化窒素
5 一酸化炭素
問237
この男性に対する薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液で調理器具を消毒することを勧めた。
2 消毒用エタノールで調理器具を消毒することを勧めた。
3 調理中は部屋の換気を十分に行うことを勧めた。
4 一般用医薬品の胃腸薬を勧めた。
5 医療機関への受診を勧めた。
解
問236 5
問237 3・5
傾向:他の領域と複合問題が出題
対策:複合問題の1問目になりやすいので、症状と感染源はしっかりと
頻出領域③ 感染症分類
感染症関連は、注目されている感染症などが出題されることが多いです。
近年で言えば、「梅毒(102回)」、「新型インフルエンザ(103回)」などが出題されています。
ニュースで取り上げられている感染症の感染症分類、感染源の特徴(ウイルス・細菌)、各分類毎の対応(全数把握対象疾患、就業の制限、人から人への感染)を押さえておく必要があります。
傾向:話題のある感染症が出題
対策:過去問だけでなく、ニュースで取り上げられている感染症も知っておく
頻出領域④ 化学物質による中毒とその解毒方法
覚せい剤や大麻、薬物乱用などここ数年でニュースなることが多く、関係法規や逮捕者の推移などの問題が出しやすいのではないでしょうか。
衛生領域に関しては、ここ10年間は毎年出題されています。
「原因物質ー解毒剤ー作用機序」はセットで覚えてください。
覚せい剤、麻薬、大麻、違法ドラッグ(LSD、MDMAなど)は、中毒症状、代謝、依存性などの化学物質としての特徴も知っておく必要があります。
傾向:覚せい剤、麻薬、大麻、違法ドラッグに関連する出題数増加。
対策:他の領域とつなげて覚える
頻出領域⑤ 大気汚染
大気汚染は毎年出題されています。
この領域は難易度自体は変わりありません。
光化学オキシダント、硫黄酸化物、窒素酸化物、一酸化窒素、各種測定法(ザルツマン法、中性ヨウ化カリウム法など)、微小粒子状物質(PM 2.5)など、これまでと同じ内容での出題が続いています。
例えばPM2.5などは時事ネタとしてもっと取り上げられてもいいように思いますが、国試での登場は多くありません。
難易度が変わりにくいということは得点源になりやすいということです。
薬と関係ない内容で勉強に対するモチベーションが低いかもしれませんが、過去問ベースで勉強しやすい領域です。
過去問を解いたうえで参考書の利用するといった国家試験の王道の勉強方法が通用する領域です。
傾向:難易度、出題傾向は変わらず
対策:過去問を解いたうえで参考書の赤字・太文字を覚える