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双極子間相互作用
「双極子間相互作用」とは、極性分子間で働く静電相互作用のことです。
極性分子
電気陰性度が異なる原子同士の共有結合では結合電子に偏りが生じます。
このような分子を「極性分子」と言います。
正の電荷と負の電荷はお互いに引き合うので極性分子と別の極性分子やイオン性の分子間には引力が働きます。
例えばプロパン(沸点:-42.3℃)とアセトアルデヒド(沸点:20.2℃)では構造や分子量がほぼ同じなのに沸点が大きく異なります。
これはアセトアルデヒド中に含まれるC=O結合によって生じる電荷の偏りが分子間に静電引力を生じるからです。
このように分極した共有結合が持つ正負の電荷による相互作用を双極子間相互作用と言います。
無極性分子
CH_4の様に異原子間であっても対称性が高い、分子全体として電荷の偏りを持たない無極性分子が部分的に分極を生じることもあります。
これを誘起双極子モーメントと言います。
誘起双極子モーメントによって生じる引力は小さいので双極子間相互作用を考える時には除外しますが、無極性分子の分子間相互作用として分散力を別途考えます。
分子間の相互作用の大きさには序列があり、一般的には 水素結合>双極子間相互作用>分散力 となります。
ファンデルワールス力は双極子間相互作用と分散力を合わせた概念とされています。