法規・制度・倫理

薬剤師国家試験ヤマのヤマ「臨床研究法」について【法規・制度・倫理】

「押さえておきたい」に加えて、薬剤師国家試験のヤマについてもまとめていこうと思います。

全ての領域を網羅できない時に最後の手段としてヤマをはる人は結構多いです。

薬剤師国家試験でも例外でなく、最後の最後にヤマをはる人は結構多いと思います。

ただここでは合格点にギリギリ足りない場合の最終手段ではなく、合格を確実なものにするためのヤマを紹介しようと思います。

これまで国家試験では一度も取り扱っていない単語ですが、これからの薬剤師に欠かせないものを取り上げます。

今回紹介するのは「臨床研究法」です。



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薬剤師国家試験ヤマのヤマ「臨床研究法」

臨床研究法とは何か?

臨床研究法とは、2018年(平成31年)から施行された臨床研究に関わる法律です。

臨床研究法は、相次いで起きた研究不正を防ぐことを目的にできました。

PMDAからの承認を目指す治験と違って、既存の薬の新たな効果を検証する臨床研究などはルールが定まっておらず、企業から多額のお金をもらって実施されていました。

その為、出資元の製薬企業の薬が有利になるように研究不正が行われてしまったのです。

新たな臨床研究法では、規制の対象となる臨床研究(特定臨床研究)を定めて、研究実施者には、厚労省への実施計画の届出と、臨床研究法上の認定臨床研究審査委員会による審査が義務付けました。

薬剤師国家試験では問われると考えられるポイントを紹介します。

ポイント①どういった臨床研究が特定臨床研究となるか?

「厚生労働省 臨床研究法リーフレットより引用」

少しわかりやすく図示すると以下の通りです。

 

臨床研究の中で「未承認・適応外の医薬品などの臨床研究」「製薬企業等から資金提供等を受けた臨床研究」が特定臨床研究に該当します。

 

ポイント②実施計画の届出と、臨床研究法上の認定臨床研究審査委員会による審査

・研究者が研究の「実施計画」を厚生労働省に届けなければならない

・厚生労働省が認定する「認定臨床研究審査委員会」の審査を受ける必要がある

この2つを義務付けることにより、厚生労働省が管理することが出来ます。これまで臨床研究は、各施設の倫理委員会によって管理していましたが、研究不正の歯止めとしては不十分だったため、厚生労働省が認定した審査委員会によって公正な審理を行っています。

想定問題を解いてみよう!

【問1】

臨床研究法の対象となる研究はどれか。1つ選べ。

  1. 医薬品の承認申請を行うための臨床試験
  2. 新薬の副作用の発現状況に関する後ろ向き調査研究
  3. 動物を用いた新規化合物の薬効評価試験
  4. 既存の薬剤の新しい効果を検証する介入研究

 

 

 

解  4 

 

この問題は、特定臨床研究はどれかを問う問題です。

選択肢1は、治験に該当します。選択肢2は観察研究であるため、特定臨床研究に該当しません。また選択肢3は動物を対象としているため、特定臨床研究に該当しません。選択肢4は、特定臨床研究の1つである「未承認・適応外の医薬品等の臨床研究」に該当します。

 

最後に

特定臨床研究は、これまで1度も国家試験に出題したことはありません。しかしながら施行されて1年経過し(2019年現在)、2020年の薬剤師国家試験(第105回)に出題されてもおかしくないと思います。

ヤマのヤマとして臨床研究法について知っておいてください。

 

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