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第102回 問151-164
問151
細胞膜受容体の細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アセチルコリン NM受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。
- ヒスタミン H1受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内サイクリック AMP(cAMP)濃度が上昇する。
- アドレナリン α1受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
- オピオイド κ受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内 cAMP濃度が減少する。
- セロトニン 5-HT3受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、抑制性シナプス後電位が発生する。
解 1, 4
問152
交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- サルブタモールは、アドレナリン α1受容体を選択的に刺激して、血管平滑筋を収縮させる。
- クレンブテロールは、アドレナリン α2受容体を選択的に刺激して、血管平滑筋を弛緩させる。
- ドブタミンは、アドレナリン β1受容体を選択的に刺激して、心筋収縮力を増大させる。
- チモロールは、アドレナリン α1受容体を選択的に遮断して、眼圧を低下させる。
- フェニレフリンは、アドレナリン α1受容体を選択的に刺激して、散瞳を引き起こす。
解 3, 5
問153
副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ピペリドレートは、アセチルコリン M2受容体を選択的に遮断して、胃酸分泌を抑制する。
- オキシブチニンは、アセチルコリン M3受容体を遮断して、膀胱平滑筋収縮を抑制する。
- ネオスチグミンは、コリンエステラーゼを可逆的に阻害して、手術後の腸管麻痺を改善する。
- トロピカミドは、アセチルコリン M3受容体を刺激して、瞳孔括約筋を収縮させる。
- シクロペントラートは、毛様体筋のアセチルコリン M1受容体を刺激して、シュレム管を開放する。
解 2, 3
問154
下記の化学構造を有する局所麻酔薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 薬物Aは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。
- 薬物Bは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。
- 薬物Cは、血中偽性コリンエステラーゼにより分解されない。
- 薬物Bは、生理的 pH においては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、非イオン型が速やかに細胞内に入る。
- 薬物Cは、生理的 pH においては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、細胞内では非イオン型がより強く Na+チャネルを遮断する。
解 1, 4
問155
全身麻酔薬、麻酔補助薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- プロポフォールは、メラトニン受容体を選択的に刺激し、催眠作用を示す。
- チアミラールは、γ-アミノ酪酸 GABA웭受容体のバルビツール酸結合部位に作用し、細胞外への Cl-流出を促進する。
- レミフェンタニルは、血液中の非特異的エステラーゼにより速やかに代謝されるため、作用持続時間はモルヒネよりも短い。
- ゾルピデムは、γ-アミノ酪酸 GABAA受容体の α1サブユニット(ω1受容体)に選択的に作用し、催眠作用を示す。
- エスタゾラムは、セロトニン 5-HT1A受容体に部分刺激薬として作用し、催眠作用を示す。
解 1, 4
問156
痛みを伴う疾患に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アミトリプチリンは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン及びノルアドレナリン再取り込みを阻害し、痛覚情報伝達を抑制する。
- トラマドールは、シクロオキシゲナーゼ-2を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制する。
- プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性 Ca2+チャネルの α2δサブユニットに結合し、神経伝達物質の遊離を抑制する。
- スマトリプタンは、セロトニン 5-HT1B/1D受容体を遮断し、片頭痛を緩和する。
- デュロキセチンは、γ-アミノ酪酸 GABAA受容体を刺激し、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。
解 1, 3
問157
中枢神経疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ラモトリギンは、K+チャネルの活性化により神経細胞膜を過分極させ、抗てんかん作用を示す。
- ガランタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して神経細胞内へのCa2+流入を抑制し、認知機能障害を改善する。
- エンタカポンは、末梢におけるカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、レボドパの脳内移行量を増加させる。
- フェニトインは、電位依存性L型Ca2+チャネルを選択的に遮断し、抗てんかん作用を示す。
- タリペキソールは、ドパミンD2受容体を選択的に刺激し、錐体外路障害を改善する。
解 3, 5
問158
高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- プロプラノロールは、傍糸球体細胞からのレニン分泌を抑制する。
- アリスキレンは、アンギオテンシンⅠの産生を抑制する。
- カプトプリルは、一酸化窒素(NO)の産生を抑制する。
- カンデサルタンは、アンギオテンシンⅡの産生を抑制する。
- エプレレノンは、アルドステロンの分泌を抑制する。
解 1, 2
問159
消化器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ドンペリドンは、ドパミンD2受容体を遮断して副交感神経終末からのアセチルコリンの放出を抑制し、止瀉作用を示す。
- ラモセトロンは、セロトニン5-HT3受容体を遮断して腸管運動を抑制する。
- ロペラミドは、オピオイドμ受容体を刺激して腸管運動を抑制する。
- プログルミドは、ヒスタミンH2受容体を遮断して胃酸分泌を抑制する。
- アコチアミドは、プロスタノイドFP受容体を刺激して胃酸分泌を抑制する。
解 2, 3
問160
脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- クリノフィブラートは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)の発現を増加させるほか、アポリポタンパク質C-Ⅲの発現抑制を介してLPLの活性を亢進させる。
- プロブコールは、肝臓においてコレステロールの異化排泄を促進するほか、抗酸化作用を示す。
- イコサペント酸エチルは、コレステロールの腸肝循環を抑制して血中の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値を低下させる。
- フルバスタチンは、アセチルCoAからのヒドロキシメチルグルタリルCoA産生を選択的に阻害することで、コレステロール合成を抑制する。
- エゼチミブは、小腸からのコレステロール吸収を抑制するほか、肝臓におけるコレステロール産生を減少させる。
解 1, 2
問161
骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。。
- デノスマブは、抗TNF-α(腫瘍壊死因子-α)抗体で、前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制する。
- テリパラチドは、カルシトニン受容体を刺激し、破骨細胞による骨吸収を抑制する。
- ミノドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシル二リン酸合成酵素を活性化し、骨芽細胞から骨細胞への分化を促進する。
- カルシトリオールは、ビタミンD受容体を刺激し、腸管からのカルシウム吸収を促進する。
- ラロキシフェンは、エストロゲン受容体に対し、骨組織ではエストロゲン様作用を示すが、乳房では抗エストロゲン作用を示す。
解 4, 5
問162
血液・造血組織に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞に作用して赤血球への分化・増殖を促進し、腎性貧血を改善する。
- メコバラミンは、胃切除後の患者において低下している食物からのビタミンB6の吸収を促進し、巨赤芽球性貧血を改善する。
- 葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進し、鉄芽球性貧血を改善する。。
- フィルグラスチムは、顆粒球系前駆細胞からの好中球産生を促進し、好中球減少症を改善する。。
- ミリモスチムは、トロンボポエチン受容体を刺激し、血小板減少症を改善する。
解 1, 4
問163
抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- オマリズマブは、B細胞におけるIgE産生を抑制する。
- ケトチフェンは、トロンボキサン合成酵素を阻害する。
- ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体を遮断する。
- スプラタストは、IgEに結合し、肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。
- プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断する。
解 3, 5
問164
抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- パラシクロビルは、アシクロビルに変換された後、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼでリン酸化され、ウイルスDNAの複製を抑制する。
- リトナビルは、インフルエンザウイルスのNS3-4Aプロテアーゼを阻害し、感染細胞からのウイルスの遊離を抑制する。
- テラプレビルは、C型肝炎ウイルスのノイラミニダーゼを阻害し、ウイルスRNAの合成を抑制する。
- ザナミビルは、HIVのプロテアーゼ活性を阻害し、ウイルス構成タンパク質の産生を抑制する。
- ジドブジンは、感染細胞内でリン酸化され、HIV逆転写酵素を競合的に阻害する。
解 1, 5