◎物理 第102回

薬剤師国家試験 過去問 第102回【物理】薬学理論問題 問91-100



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第102回 問91-100

問91

以下の化学反応式における熱力学的パラメータに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1 つ選べ

ただし、この反応における温度を T 、平衡定数を K、反応速度定数を k1k2とする。また、気体定数を R とする。

  1. この反応の標準自由エネルギー差 △G°は、△G°= -RT lnK で表すことができる。
  2. いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルピー変化(△H °)を求めることができる。
  3. △H °が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が左にずれる。
  4. 反応速度定数 k1は、exp(-Ea/RT )に比例する。なお、Eaは一般に活性化エネルギーといわれる。
  5. 活性化エネルギーが高いほど反応速度に対する温度の影響は大きい。

 

 

 

 

 

解  3

 

問92

金属 M とそのイオン Mn+からなる半電池の標準電極電位に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

 

  1. は、金(Au)の半電池を基準とした相対値として測定される。
  2. は、イオン Mn+の活量が1のときの値である。
  3. は、負の値をとらない。
  4. は、温度に依存せず一定である。
  5. が正の大きな値であるほど、Mn++ ne-  ⇄ M の反応は右に進みやすい。

 

 

 

 

 

解    2, 5

 

問93

下図の実線はある純物質の化学ポテンシャルと温度の関係を示したグラフである。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. このグラフの傾きはモルあたりのエントロピーを表す。
  2. 温度が T2のとき、二相が共存しており、自由度は2である。
  3. 温度が T3のとき、液相よりも気相の化学ポテンシャルが高いため、この純物質は自発的に気相に変化する。
  4. この純物質に不揮発性溶質を溶かしたとき、液相の化学ポテンシャルのグラフは図中の bの方向に移動する。

 

 

 

 

 

 

解    1, 4

 

問94

球状高分子の半径 r (m)の逆数 r-1と水中での拡散係数 D (m2・s-1)の間にグラフのような関係が成り立つとする。いま、半径 r の球状高分子Aの拡散係数DAが 10.0× 10-11m2・s-1であったとき、半径 2.5r の球状高分子Bの拡散係数DB(m2・s-1)に最も近いのはどれか。 1つ選べ。

  1. 1.6× 10-11
  2. 4.0× 10-11
  3. 10.0× 10-11
  4. 25.0× 10-11
  5. 62.5× 10-11

 

 

 

 

 

 

解    2

 

問95

ある受容体(R)に結合するリガンド(L)があり、Lは R と 1:1で結合する。この平衡反応の解離定数(Kd)を 1μM とする。1μM の R が存在しているところに Lの濃度が【  ア  】 μM となるように添加したとき、平衡状態において全受容体のうち Lが結合した受容体の割合は 20%となった。【  ア  】 にあてはまる数値に最も近いのはどれか。1 つ選べ。ただし、系の体積変化は無視できるものとする。

  1. 0.25
  2. 0.45
  3. 0.50
  4. 0.75
  5. 0.80

 

 

 

 

 

解  2

 

問96

日本薬局方フェノール(C6H6O:94.11)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

 本品約 1.5g を精密に量り、水に溶かし正確に 1000mLとし、この液 25mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、正確に 0.05mol/L臭素液 30mLを加え、更に塩酸 5mLを加え、直ちに密栓して 30分間しばしば振り混ぜ、15分間放置する。次に【 A 】7mLを加え、直ちに密栓してよく振り混ぜ、クロロホルム 1mLを加え、密栓して激しく振り混ぜ、遊離したヨウ素を 0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液 1mL)。同様の方法で空試験を行う。

 

  1. 【  A 】 に入る試液は、ヨウ化カリウム試液である。
  2. 【  B 】 の対応量は、4.705である。
  3. 下線においてクロロホルムを加える理由は、沈殿した 2,4,6-トリブロモフェノールを溶解させるためである。
  4. 臭素液の f = 1.000の場合、空試験の 0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の理論量は15.0mLである。
  5. 試料を約 1.5g 量るとは、1.30g から 1.70g の範囲内で秤量することである。

 

 

 

 

 

 

解  1, 3

 

問97

ヒトの体液は主に炭酸と炭酸水素イオンの濃度バランスにより pH 7.4に維持されている。pH 7.3のアシドーシスを起こした患者の体液中の HCO3-/H2CO3の存在比に最も近い値はどれか。1 つ選べ。ただし、炭酸は次式のように解離し、その2つの pKaは、それぞれ pKa1= 6.1、pKa2= 10.5とする。また log101.6= 0.2とする。

  1. 1.6
  2. 2.0
  3. 8.3
  4. 16
  5. 20

 

 

 

 

 

 

解   4

 

問98

クロマトグラフィーの分離パラメータに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. ピーク高さと保持時間が同じなら、ピーク幅が狭いほど理論段数(N)は大きい。
  2. シンメトリー係数(S)が1より小さいとき、ピークはテーリングしている。
  3. カラムの長さが2倍になると、理論段高さ(H)は2倍になる。
  4. 同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離係数(α)は1である。
  5. 分離度(RS)は、2つのピークの保持時間の関係を示し、ピーク幅に依存しな
    い。

 

 

 

 

 

解  1, 4

 

問99

核磁気共鳴スペクトル測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 核磁気共鳴スペクトルの測定には、一般にラジオ波領域の電磁波が用いられる。
  2. 19Fを利用して有機化合物中にあるフッ素の核磁気共鳴スペクトルを測定できる。
  3. ベンゼンの水素は、π電子による遮へい効果を受ける。
  4. 測定溶媒中に重水を添加することにより、アルケンに結合している水素のシグナルを消失または移動させることができる。
  5. プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さの影響を受ける。

 

 

 

 

 

解      1, 2

 

問100

質量分析法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. モノアイソトピック質量は、各原子の全ての安定同位体を天然存在比に基づいて考慮することで算出される。
  2. 質量スペクトルの中で、強度が一番大きいピークは基準ピークとよばれる。
  3. 電子イオン化法(EI)は、タンパク質の分子量測定に適している。
  4. 飛行時間型の質量分析計では、質量電荷比(m/z)の大きいイオンほど遅く移動し、飛行時間が長い。
  5. m/z = 200.100と 200.050の2つのピークを分離できる分解能は、2,000である。

 

 

 

 

 

解      2, 4

 

 

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