◎衛生 ◎実務 第104回

薬剤師国家試験 過去問 第104回【衛生/実務】薬学実践問題 問236-245



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第104回 問236-245

問236-237

58 歳男性。CD20 陽性のびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫と診断され、R-CHOP 療法による治療が行われることになった。

問236

R-CHOP 療法時に用いられる注射剤のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告されている、あるいは疑われており、かつ揮発性を有するため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が最も望ましいのはどれか。1つ選べ。

  1. リツキシマブ
  2. グラニセトロン塩酸塩
  3. シクロホスファミド水和物
  4. ドキソルビシン塩酸塩
  5. ビンクリスチン硫酸塩

 

 

 

 

解  3

 

問237

前問で選んだ薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 直接発がん物質である。
  2. ナイトロジェンマスタードの誘導体である。
  3. シトクロム P450 により代謝的活性化を受け、DNA をアルキル化する。
  4. エポキシ体の形成を介して DNA 付加体を形成する。
  5. 発がんプロモーション作用を有する。

 

 

 

 

解    2, 3

 

問238-239

小学生が大麻を吸引した事件が起きた。事件が発生した地域の学校薬剤師会の依頼により麻薬取締官が、学校薬剤師を集めて大麻の成分、作用や分析法について講義を行った。

問238

大麻に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 乾燥させた大麻の葉は、一般にマリファナと呼ばれる。
  2. 大麻の向精神作用の本体は、テトラヒドロカンナビノールである。
  3. 大麻の向精神作用の本体は代謝されにくいため、尿中から主として未変化体が検出される。
  4. 大麻使用の有無を簡易検査するには、尿を検体とするキットが用いられる。
  5. 大麻成分の分析には、ガスクロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法が用いられる。

 

 

 

 

解  3

 

問239

後日、学校薬剤師が保護者への説明会で伝えるべき大麻の特徴や問題点として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 異常に強い幸福感を感じたり、そこにいないはずの人や物が見えたりする。
  2. 乱用を止めても、以前使用していた時の感覚が突然よみがえることがある。
  3. 大麻は栽培しても処罰の対象にならない。
  4. 精神依存はなく、身体依存が主である。

 

 

 

 

解  1, 2

 

問240-241

58 歳男性。地元のがんセンターに入院し、検査の結果、去勢抵抗性の前立腺がんと診断された。骨転移も認められている。主治医は、患者に対し、放射性医薬品による骨転移巣の治療を検討していることを説明した。

問240

治療の目的で用いられる放射性医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 標的組織に高い選択性を示す。
  2. 診断用放射性医薬品と同様、標的組織から速やかに消失することが望ましい。
  3. α 線を放出する核種は使用されない。
  4. 放出される放射線により腫瘍細胞の DNA が損傷される。
  5. 数年程度の半減期をもつ核種が使用される。

 

 

 

 

解    1, 4

 

問241

去勢抵抗性の前立腺がんの治療に用いられる放射性医薬品として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. クエン酸ガリウム(67Ga)注射液
  2. ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル
  3. イットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液調製用
  4. 塩化インジウム(111In)注射液
  5. 塩化ラジウム(223Ra)注射液

 

 

 

 

解    5

 

問242-243

73 歳女性。友人に勧められたミネラルウォーターで医薬品を服用して良いか、かかりつけ薬剤師に相談した。そこで薬剤師は女性のお薬手帳を確認した。現在服用中の薬とミネラルウォーターの成分一覧は以下のとおりであった。

問242

このミネラルウォーターの総硬度(mg/L)はどれか。1つ選べ。ただし原子量
は以下のとおりとする。
H 1.00、C 12.0、O 16.0、Na 23.0、K 39.1、Mg 24.3、Ca 40.0

  1. 110
  2. 140
  3. 300
  4. 1,100
  5. 1,400

 

 

 

 

解    5

 

問243

このミネラルウォーターで服用すると吸収に影響があると考えられる処方薬はどれか。2つ選べ。

  1. アレンドロン酸錠 35 mg
  2. ワルファリン K 錠 1 mg
  3. グリメピリド錠 1 mg
  4. アセトアミノフェン錠 300 mg
  5. シプロフロキサシン錠 200 mg

 

 

 

 

解    1, 5

 

問244-245

学校校舎の老朽化のために一部(図工準備室)の建替えが行われた。建替えた校舎を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いた。養護教諭から学校薬剤師に相談があり、学校薬剤師はこの教室内の空気中の化学物質検査を行うことにした。

問244

学校環境衛生基準に指定されている物質であり、生徒の症状の原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。

  1. 一酸化炭素
  2. アセトン
  3. ホルムアルデヒド
  4. トルエン
  5. アスベスト

 

 

 

 

解    3, 4

 

問245

前問で選択した原因物質を測定するための学校環境衛生基準に基づいた測定法はどれか。2つ選べ。

  1. 検知管法
  2. ザルツマン法
  3. ジニトロフェニルヒドラジン誘導体化法を用いた高速液体クロマトグラフ法
  4. ガスクロマトグラフ ― 質量分析法
  5. 酵素免疫測定法

 

 

 

 

解    3, 4

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